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導入企業様(一部)















導入事例(一部)
グローバルクラウドERP multibook・BPOサービスの導入事例をご紹介します。
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シリウスビジョン株式会社
マルチブックアウトソーシングの導入でタイ拠点の月次決算・本社報告を最大10日短縮 内部統制強化も実現
利用サービス-
BPO
利用国タイ定常化したタイ拠点から本社への月次レポート提出の遅延や、それによる四半期決算の遅延、そしてタイ拠点とのコミュニケーションに関する課題を解決するため、マルチブックアウトソーシングを導入しました。迅速なサポートと多言語対応の利便性、そして現地に精通した担当者の専門的なサポートが採用の決め手となりました。導入後、タイ拠点の月次決算・本社報告の日数が10日短縮され、決算の遅延は解消。現地法人とのスムーズなコミュニケーション体制の構築や業務の可視化、内部統制の強化を実現し、グループ全体のガバナンスが向上しました。
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株式会社カカクコム
IFRS 16号完全対応のmultibookで複雑なリース資産管理業務を簡素化
利用サービス-
IFRS16
利用国日本導入目的IFRS16号リースインターネットサービスを幅広く展開するカカクコムは、事業の多展開に伴うリース資産管理の複雑化の解消と作業負担軽減を目指し、IFRS 16号に対応するmultibook リース資産管理システムを導入しました。IFRS 16号に完全対応しており、短期間での導入が可能な点が導入の決め手となりました。今後は、リース資産の自動判定や計上額の自動計算、連結修正仕訳や注記情報の自動出力機能を活用し、Excel管理からの脱却による業務の効率化と標準化を目指します。
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鴻池運輸株式会社
10時間の手作業を削減!IFRS16号リース管理の効率化に成功
利用サービス-
IFRS16
利用国タイ ベトナム フィリピン導入目的IFRS16号リース 業務効率化鴻池運輸株式会社は、世界の5拠点でフォワーディングとローカルロジスティクスを提供。海外現地法人のIFRS16号リース連結修正仕訳のため、日本本社はExcelを使用していましたが、multibookのIFRS16号リース資産管理モジュールを導入。コストパフォーマンスと導入の手軽さ、充実した現地サポートが評価され、連結修正仕訳の自動作成が可能に。これにより四半期ごとの10時間以上の手作業が削減され、プロセス標準化と現地法人の作業負担軽減を実現しました。
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エクシオグループ株式会社
5国拠点で経費管理効率化!月4日作業短縮とデータ入力の簡素化を実現
利用サービス-
立替経費精算
利用国アメリカ フィリピン タイ その他導入目的業務効率化エクシオグループ株式会社は、フィリピン、シンガポール、タイ、インドネシア、アメリカの5拠点で、multibook立替経費精算管理を導入しました。従来は紙とExcelによる属人化された管理で多通貨対応やフォーマットの違いによるデータ加工の負担が問題でしたが、multibook導入で月4日の作業時間短縮を達成。CSV出力機能により本社SAPへのデータ入力が簡素化され、証憑の郵送や保管も不要に。これにより各拠点の業務負担が軽減し、本質業務に集中できるようになりました。
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住友重機械イオンテクノロジー株式会社
海外全拠点の業績を一元管理!2週間で月次決算データ収集ができるように
利用サービス-
見える化
利用国アメリカ 韓国 台湾導入目的見える化住友重械イオンテクノロジー株式会社は、台湾、中国、韓国、米国に展開する現地法人の業績見える化のため、multibookを導入しました。シンプルなUI、リーズナブルな価格が採用の決め手となり、各拠点の財務諸表をリアルタイムで統合。詳細な仕訳情報が手軽に把握できるようになりました。導入後、全拠点の業績を一元管理し、月次締め後わずか2週間で最新の決算データを提供。これにより、迅速かつ効果的な経営判断ができるようになりました。
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株式会社Food Innovators Japan
リース管理の作業時間50%削減!効率化で監査対応もスムーズに
利用サービス-
IFRS16
利用国日本導入目的IFRS16号リース 業務効率化株式会社Food Innovators Japan(FIJ)は、シンガポールに本社を置く飲食事業イノベーターです。同社はIFRSに基づくリース会計処理が必要で、特にサブリース事業のリース資産管理で複雑な修正仕訳が求められていました。従来はExcelで管理されていましたが、multibook IFRS16号リース資産管理を導入し、作業時間を50%削減しました。また、計算作業の属人化も解消し、監査対応の時間短縮と業務効率化・標準化を実現しています。
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テラル株式会社 様
海外10拠点の経営状況見える化で迅速な意思決定とガバナンス強化をサポート
利用サービス-
見える化
利用国アメリカ タイ マレーシア導入目的見える化テラル株式会社は、海外10拠点の経営状況の見える化と迅速な意思決定を実現するため、multibookのマネジメントコックピットを導入しました。コロナ禍でのオンライン交流増加により、収支管理のばらつきとガバナンスの課題が顕在化。多言語・多通貨対応で各拠点の情報を一元管理できることが評価され、導入が決定。これにより本社はリアルタイムで各拠点の経営状況を把握し、ガバナンス強化と意思決定の速度が向上しました。multibookはグローバル経営における重要なインフラとなっています。
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株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル
多言語多通貨対応で外資系企業日本法人の会計作業時間50%削減
利用サービス-
会計
利用国日本導入目的業務効率化 コスト削減株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナルは、外資系企業の日本法人向け会計アウトソーシングにmultibookを導入しました。従来は、国産システムでは対応できない通貨換算や英文レポート作成を、Excelを使い手作業で対応していましたが、多言語・多通貨対応と使いやすいUIを持つmultibookの採用により、経理代行の作業時間が50%削減。新人も簡単に操作を習得でき、教育時間の短縮と業務効率化が進み、サービスメニューの拡充も実現しました。
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株式会社NJS
海外多拠点の経費管理効率化で月次決算4日短縮、リアルタイムの可視化が可能に
利用サービス-
会計
利用国アラブ首長国連邦 バングラデシュ スリランカ導入目的決算早期化 業務効率化株式会社NJSは、アラブ首長国連邦、バングラデシュ、スリランカの海外拠点で経費管理の効率化を目的にmultibookの会計機能を導入しました。従来、紙ベースの伝票を日本に郵送し手入力していましたが、multibook導入で月次決算が4営業日短縮され、翌月7営業日で完了するように。クラウドシステムにより、経費データをリアルタイムで確認でき、不正防止と不明経費の見える化を実現しました。これにより、担当者の業務効率が向上し、本社との情報共有もスムーズになりました。
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株式会社ヴイ・エス・テクノロジー
IPOを目指し海外23拠点を統合管理!見える化で業務効率化と内部統制強化
利用サービス-
見える化
利用国日本 香港 オランダ その他導入目的見える化 IPO準備 内部統制強化株式会社ヴイ・エス・テクノロジーは、2025年のIPOに向け、経営基盤を強化するためmultibookの「見える化プラン・マネジメントコックピット」を導入しました。23拠点で会計システムが異なる課題を抱え、multibookの多言語・多通貨対応や低コストの導入が決め手となりました。リアルタイムでのデータ収集と分析により、業務効率化と内部統制の強化を実現し、IPOに向けた組織改革の基盤を整備しました。
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株式会社ウエスト 様
タイ拠点の会計業務を革新!multibookで月次決算期間大幅短縮
利用サービス-
会計
利用国タイ導入目的決算早期化 業務効率化株式会社ウエストは、タイの会計管理業務にmultibookを導入し、月次決算の早期化と業務の見える化を実現しました。以前はExcel管理による入力ミスや情報不整合で月次決算が大幅に遅れていましたが、多言語対応とリアルタイムな業績可視化、Excel一括アップロード機能のあるmultibookを採用することで、決算期間を大幅に短縮。現地スタッフが複数拠点の会計処理を一人で行えるようになり、管理部門の業務効率が向上しました。
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税理士法人Itseki
わずか2週間のセルフインプリメントで外資企業の日本法人経理業務を革新!
利用サービス-
会計
利用国日本導入目的業務効率化Itsekiはイタリアの製薬会社の日本法人の経理業務をサポートするためにmultibookを導入しました。従来顧客が利用していたシステムは英語のみの対応で、通貨換算や日本の消費税対応が煩雑でしたが、多言語・多通貨対応のmultibookは直感的操作が可能で、コストパフォーマンスも優れているため採用いただきました。Slackを通じてのサポートで「セルフインプリメント」を実施し、わずか2週間で導入。これにより経理業務の効率化が進み、イタリア本社への報告もスムーズに行えるようになりました。
「海外クラウド経理部」導入でタイ拠点の月次決算・本社報告を最大10日短縮。現地の経理業務をまるごとアウトソースし、内部統制も強化

[写真左より]シリウスビジョン株式会社 取締役 管理本部管掌 管理本部長 日沼 徹氏、執行役員 財務担当 管理本部 経理部長 鬼澤 裕彦氏、管理本部 経理チーム 長塚 友吾氏
画像検査ソフトウェア開発で急成長を遂げているシリウスビジョン株式会社は、中国、タイ、ベトナムに海外現地法人を展開しています。従来、タイの現地法人では本社への月次レポート提出にかなりの日数を要し、取締役会に間に合わず、四半期ごとの決算短信作成も時間に追われていました。そこでグローバルクラウドERP「multibook」の導入を決意し、更にmultibookを基盤にした海外拠点経理業務アウトソーシング「海外クラウド経理部」を導入。これにより、タイ拠点の月次決算・本社報告にかかる日数を10日短縮し、業務の可視化を通じて現地法人の業務改善・内部統制の強化まで実現しました。
導入前の課題
- タイ現地法人の本社への月次レポート提出が、毎月の取締役会に間に合わなかった。
- 上場会社に求められる決算短信報告作成も、時間に追われた。
- タイ現地法人とコミュニケーションが取れておらず財政状況を正確に把握しづらかった。
multibookを選んだ理由
- 連絡するとすぐに対応してくれるレスポンスの良さ、サポート力に好感を持った。
- 現地での経理経験者の採用が難しい中、「海外クラウド経理部」が人的リソース不足をカバーしてくれた。
- multibookの小回りの利くERPというコンセプト、多言語対応、UIのわかりやすさを高く評価した。
導入後の効果
- タイ拠点の月次決算・本社報告にかかる日数が10日短縮され、取締役会や四半期決算報告書の作成に余裕が生まれた。
- 可視化により現地法人に対するガバナンスが効きやすくなり、業務改善が実現した。
- 「海外クラウド経理部」が現地法人経理担当者の教育係を務めるとともに、本社も気軽に相談できる相手になっている。
画像検査ソフトウェア開発企業へ業容を大きく転換
―― 貴社の事業内容をご紹介ください。

日沼:シリウスビジョンはもともと、ゴルフボールのような表面が平らではないものに印刷ができる特殊印刷機を製造・販売する会社でした。この機械が非常に好評で株式上場も果たしました。その後、違う分野で勝負しようと力を入れ始めたのが、印刷物を対象にした画像検査ソフトウェア開発です。これが非常にヒットし、この分野に焦点を絞ることを決意し特殊印刷機の事業を売却し、本社を大阪から横浜へ移転しました。画像検査ソフトウェアは、AIテクノロジーを積極的に採り入れ、お客様から好評をいただいております。
現地に依存しない経理体制の確立をめざし、「海外クラウド経理部」を導入
―― 今回、グローバルクラウドERP multibookとともに、弊社の海外拠点経理業務アウトソーシング「海外クラウド経理部」をご導入いただきました。どのような経緯だったのでしょうか。
日沼:当社には、中国の上海、タイ、ベトナムに海外拠点があります。お話ししたように業容が大きく転換する中で、海外現地法人の経理体制もガバナンスを強化したいと考えました。
鬼澤:たとえば、「海外クラウド経理部」の導入対象にしたのはタイですが、ここは当社製品の販売拠点です。現地の会計事務所に経理業務を委託しており、従来は、会計事務所に月末月初、証憑を送付してから10日後にならないと月次レポートがこの会計事務所から大阪の海外事業担当部門に届かず、10日後でも出てこないことがありました。さらに、現地の状況が見える体制になっていなかったためレポートの遅延の原因も把握できていない状態でした。月中にタイ現地とのコミュニケーションはなく、本社に届くのは最終的な結果レポートだけで、その時点で初めて増減分析や不明な勘定・残高の確認をすることになりますが、何か不明点があればそこから大阪や会計事務所に問い合わせることになるため、おうおうにして毎月第2木曜日に開催する取締役会にも間に合いませんでした。
また、上場会社は四半期ごとの決算短信を45日以内に開示することが法令で定められています。連結決算も対象ですから、四半期に締めた翌月の下旬ごろにはもう監査法人に完成した報告書を見てもらう必要があります。期限がある中で現地への確認や調査、そして監査法人からの指摘の修正を行う必要があるため、当社内での報告書作成が非常に時間に追われる状態でした。
日沼:以前本社の会計システムをSaaSに切り替えたので、これと同期を取って海外現地法人の会計システムもSaaSにして大阪の海外事業部や現地会計事務所を挟まずとも、リアルタイムに本社で現地の業績を見られるようにしようと考えました。ここで重視したのがベンダーサポートです。SaaSだからといって「御社側で勘定科目をすべてご自身で設定してください」と要請されても、こちらも最低限の人材リソースで会計・経理業務を行っているため難しいものがあります。そうした中Webで探してたどり着いたのがmultibookでしたが、話を聞いてみるとmultibookの導入サポートだけではなく、海外拠点の経理業務自体もまるごと引き受けてくれるという海外経理のアウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」があることを知りました。
―― グローバルクラウドERP multibookを選んでいただいた決め手は何でしたか。
日沼:連絡をしたらすぐに飛んできてくれた、そのレスポンスのよさにまず好感を持ちました。小回りの利くERPを目指すというコンセプトもよく、この先会社が成長し続けても使い続けられるERPだなと思いました。
鬼澤:「海外クラウド経理部」という海外拠点の経理業務を代行するBPOサービスがあったことも大きかったです。タイという国は、CPDという資格を持った人間でないと最終的な経理の責任を負うことができないのですが、当社の現地法人でそのような資格者を採用するのが難しいという現実がありました。そうした中で、multibookを使うと同時に、そのmultibookを使って実際に現地の経理業務を行ってくれるBPOサービスを利用することで、人的側面でも支援してもらえるというのが非常に助かりました。
日沼:サービスがマルチリンガルだったことも非常に大きなポイントでした。multibookに関しては、担当者のトレーニングがあまり必要そうにない、直感的に作業ができるUIも選定を後押ししました。
タイ拠点の月次決算・本社報告を10日短縮。可視化により現地法人経理業務の改善も可能に
―― 2023年7月から利用をスタートされましたが、現在の活用状況はいかがでしょうか。
鬼澤:multibookを軸とすることで、月末締め日が来れば、自動的に報告書が完成していますし、仕訳レベルの情報まで、現地のデータをいつでも見られる状態です。さらに「海外クラウド経理部」が確実かつスムーズにタイの月次レポートを作成してくれるため、本社で実施する連結作業も確実に早く終わるようになりました。そのため、第2木曜日の取締役会にも、連結決算の報告書作成も十分な余裕を持って対応できるようになりました。
財政状況をつぶさに見られるようになったことは非常に大きく、タイ側の経理業務を本社主導で改善できるようになりました。今までは月に一度出てくるレポートが唯一の接点だったので、それに比べると大きな違いです。
日沼:これまでは渡航した際に現地法人からブリーフィングを受けることで現地の状況を把握していました。彼らを信じるしかないという状況にモヤモヤしたものを感じていましたが、multibookによってリアルタイムに自分たちで現地の業績を確認できるようになり、それが払拭されました。
鬼澤:今、タイでは経理経験者を雇うのが難しく新卒を採用していますが、「海外クラウド経理部」が実質的に彼らの教育係を担っているため、とても助かっています。経費の入力方法など、基礎的なことから懇切丁寧に指導してくれるため、当社の新入社員も何かと「海外クラウド経理部」を頼りにして、あれこれ問い合わせているようです。「海外クラウド経理部」が現地との橋渡し役になっていて、本社側で不明点があれば日本語で問い合わせができますし、現地のスタッフはタイ語でマルチブックのタイ人スタッフに相談ができるのでコミュニケーションがスムーズになりました。
また、「海外クラウド経理部」が第三者として存在することで、現地のガバナンス強化にもつながっています。
日沼:相談できるというのは私たちも同様です。海外の財務制度というのは、日本にいる私たちにはいろいろわからないことが多いものです。その点、「海外クラウド経理部」はタイの事情に通じているプロフェッショナルなため、タイで株式を売却する必要な手続きや、タイ語で提出された契約書を英語に翻訳する際、専門的な翻訳会社を、気軽に尋ねることができます。情報は正確で品質も高く、全幅の信頼が置ける相談先ができたのは大きく、マルチブックには会計システム、BPOサービス以上の価値を感じています。
貴社の海外拠点の決算早期化や内部統制強化を実現!「海外クラウド経理部」とは?>>
―― 長塚さんは本社側のmultibook担当者と伺っています。

長塚:2024年8月に前任者から引き継いだばかりですが、multibookのUIは非常にわかりやすく、短時間で習得できそうです。目標としては、連結決算報告書の早期作成をしっかり支援するということです。取締役会の遅くとも前日には完成できれば、経営予測にも役立てられるので、早く作ることが大事です。私のところで止めないように、サイクルの確立に力を尽くしたいと思います。
―― 今後の展望をお聞かせください。

鬼澤:タイの経理業務に関してはmultibookと「海外クラウド経理部」を活用するようになりましたが、中国とベトナムについてはまた別の方法で行っているので、将来的には統一できればと考えています。
日沼:multibookと「海外クラウド経理部」によって、海外現地法人のガバナンスが大きく変わったため、これをすべての現地法人に導入したいです。マルチブック社には、中国とベトナムでも同様のサービスを展開してもらえるとうれしいですね。
海外拠点の決算早期化や内部統制強化を実現!海外経理アウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」のサービス紹介資料をメールで受け取る>>
[取材に対応いただいた方々]
シリウスビジョン株式会社 取締役 管理本部管掌 管理本部長 日沼 徹氏
シリウスビジョン株式会社 執行役員 財務担当 管理本部 経理部長 鬼澤 裕彦氏
シリウスビジョン株式会社 管理本部 経理チーム 長塚 友吾氏
お客様概要

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会社名
シリウスビジョン株式会社
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事業内容
画像検査機、画像検査ソフトウエアおよび画像検査関連製品の企画、開発、販売、技術支援と、シリウスビジョングループ全体の経営戦略の企画・策定・推進、最適な体制の構築、各事業会社の経営の監督および知的財産の管理
- URL https://siriusvision.co.jp/
少ないリース資産件数でも効果絶大!IFRS16号対応のmultibookでリース資産管理業務の工数を約9割削減

[写真左より]株式会社カカクコム コーポレート本部 財務経理部 浅井 賢司氏、同部 佐藤 昂氏
購買支援サイト「価格.com」、レストラン検索・予約サービス「食べログ」、求人情報の一括検索サービス「求人ボックス」など、幅広い領域でサービスを展開する株式会社カカクコム。 同社が直面していたのは、IFRS16号リース資産の管理における課題でした。資産件数こそ比較的少ないものの、表計算ソフトによる手作業での管理は想像以上に煩雑、年を追うごとに複雑さを増し、担当者の負担は増大の一途をたどっていました。この状況を打開すべく、システム刷新の検討を進めた結果、IFRS16号に完全対応のmultibookの導入を決定しました。その効果は劇的でした。四半期決算時のIFRS16号リース資産関連業務は、なんと180分から10分へと大幅に短縮。さらに、従来の属人的な管理から脱却し、経営戦略や資産運用などの観点でも大いに活用できるリアルタイム性・網羅性・粒度を備えることに成功。業務の効率化と品質向上の両立を見事に実現しました。
本日はその成果を同社コーポレート本部 財務経理部部長 布川 綾子氏、同部 浅井 賢司氏、同部 佐藤 昂氏に伺いました。
導入前の課題
- IFRS16号リース資産を表計算ソフトで管理していたが、年々煩雑になり、メンテナンスや内容確認で四半期ごとに合計70~80時間もの多大な工数がかかっていた。
- 表計算ファイルは複雑な数式の多用で属人化し、作成者本人以外には分かりづらかった。
- 誤りがない状態とすることに加え、経営判断の材料として有用な水準のリアルタイム性・網羅性・粒度を確保するには、手作業では負担が多すぎた。
multibookを選んだ理由
- IFRS16号に完全対応しており、導入すれば日常業務の労力を軽減できると期待できた。
- 投資対効果を考える上で、3名で使うツールとして予算感が合う、唯一のIFRS16号対応のシステムだった。
- 短期導入が可能で、スムーズな稼働を見込めた。
導入後の効果
- 四半期決算時、IFRS16号リース資産に関する業務量が180分から10分へと約94%も削減。
- 表計算ソフトから脱却し、管理の属人化を解消。
- 経営戦略や資産運用などの観点で有用なレベルでの情報のリアルタイム性・網羅性・粒度を実現し、より透明性の高い経営を実現。
購買支援サイト「価格.com」を始め、消費者の日常生活を豊かにする情報を提供
―― 貴社の事業内容についてお聞かせください。

浅井:当社は、1997年設立のインターネットサービス企業です。祖業である購買支援サイト「価格.com」は、家電製品、パソコン、カメラ、自動車、保険など、さまざまな製品やサービスの情報を提供し、買いものにおいて最適な選択をするお手伝いをしています。このほかにも、レストラン検索・予約サービス「食べログ」や求人情報の一括検索サービス「求人ボックス」など多岐にわたるサービスを展開し、消費者の日常生活を豊かにする情報を提供し続けています。当社は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、透明性の高い経営を行うことにも注力しています。
表計算ソフトでの管理に限界を感じ、multibookを導入
―― 今回、「multibook IFRS16号リース資産管理」を導入いただきました。その経緯を教えてください。
佐藤:これまではIFRS16号リース資産を表計算ソフトで管理していました。対象資産はすべて不動産で、少ないリース件数でも、表計算ファイルの中身が非常に複雑化してしまっていました。1つのブック内に複数の関数を含んだシートが50~60存在し、それらをすべて活用しないことには四半期ごとの決算業務が行えません。また、データのメンテナンスを行いながらのため、1資産当たり私の作業で60分、チェックする浅井の作業で20分はかかっていました。決算期には多忙を極め、効率化が急務だったのです。
また、実質的な担当者は私1名のみだったため、ファイル内容が属人化しやすいことも課題でした。

浅井:IFRS16号適用当初は問題ありませんでした。資産件数も少ないためシンプルに管理できていました。しかし、年度を経るごとにデータ更新と関数修正がどんどん煩雑になっていき、これがまた遡及修正であるため、1つのデータ変更が、前期へ前期へと過去にさかのぼる必要があり、非常に手間がかかりました。
布川:私は財務経理部の部長として、佐藤や浅井が決算作業の中で作成する表計算ファイルをチェックしていました。表計算ソフトだけでは軽微な間違いが発生しやすくなります。複雑化した表計算ファイルの表は担当者だけでなく確認者にとっても確認に時間がかかり、高い精度を保つために多大な労力が必要となっていました。
当社のリース資産の件数は少ないものの、財務諸表に与える金額的インパクトが大きいため、経営層から誤りのない管理は当然のことながら、経営戦略や資産運用などの観点で有用なレベルでの情報のリアルタイム性や網羅性、粒度についても、同時に求められていました。また、表計算ソフトから脱却したいと思い以前からツールを探していましたが、ツールを必要とするのは3人のため、ある程度ライトなものでないと数百万円単位の高額なシステムでは投資対効果が見合わないと考えていました。
―― multibookを選んだ決め手は何でしょうか。
佐藤: IFRS16号リース資産管理ができて、予算感の合う製品・サービスという観点でインターネットを通じて探していたところ、候補が2つ見つかりました。しかし、話をよく聞いてみると、そのうちの1社はIFRS16号に対応できないことがわかりました。唯一対応可能だったのがmultibookだったのです。
選んだ決め手は、IFRS16号に完全に対応していて、導入すれば日頃の労務が軽減できることが見込めたことと、予算感が合い、短期間での導入が期待できたことです。結果、2024年5月に導入を正式決定しました。
―― 導入プロセスはいかがでしたか。
佐藤:マルチブック社が2024年6月~8月の2カ月で導入するスケジュールを計画し、マスター整備、データ移行を概ね予定通りに進行できました。当社はテレワークも可能で、私たちは月に3~4回の出社だったため、基本はオンライン会議で対応をお願いしました。課題管理シートでやり取りを行い、必要に応じてミーティングを開催するなど、プロジェクトは非常にスムーズに進みました。マルチブック社の対応は非常に柔軟で、カスタマーサポートのレスポンスも素早かった点がありがたかったです。
四半期決算時、IFRS16号リース資産に関する業務量が180分から10分に短縮
―― 予定どおり2024年8月末から利用をスタートされました。リース資産管理の負荷は軽減されましたか。

佐藤:現在はボタン1つでmultibookが自動計算し、必要な情報を更新してくれるため、四半期決算業務の負荷は激減しました。毎四半期、データ更新が必要な資産が3件ほどあり、1資産当たりのメンテナンスに60分必要なため、合計180分かかっていました。それが3資産で10分になりました。これによって、財務の本質的な業務に専念できるようになりました。IFRS16号の基準に基づくリース資産管理は、最初は容易でも次第に複雑化していきます。たとえ件数が少なくてもシステム化を図った方がいいです。システム化することで、管理の属人化を解消することもできます。個人的には、ここにBIツールが加わるとなお嬉しいですね。せっかくmultibook上でデータ管理できるようになったので、リース資産管理の高度化を図っていきたいです。
浅井:表計算ソフト管理のときは、データのみならず、膨大な関数の計算ロジックが合っているかどうかも調べる必要があり、確認に時間がかかりがちでした。今は、初期データ入力後は、multibookが精度高く計算してくれるため、上層部への報告のタイミングも早くなりました。
また、会計監査対応の際も今までは表計算ファイルを提出しており、前述の通り関数が多く複雑な作りのため、監査法人から見方についてお問い合わせをいただくことが多かったのですが、multibookを導入してからは必要な情報を綺麗に整備された状態でダウンロードしてそのまま渡せるようになったので、監査用の表計算ファイルの作成も不要になり、監査法人からのお問い合わせもなくなりました。
布川:私は管理の水準が向上したことに安堵しています。会計分野は、会計自体や固定資産の管理に関しては製品・サービスがたくさんあり、制度改定にも対応しているのに、なぜかリースになるととたんに見当たらなくなります。表計算ソフトで制度改定の受け入れをしなくてはならないというのはとても大変で、手間が掛かる作業だと思っていました。監査法人に相談しても「皆さん、表計算ソフトでやっておられますよ」と言われ、そういうものなのかと思うしかありませんでしたが、multibookを導入し、おかげで長年の苦労から解放されました。
今後は、2027年4月に強制適用となる新リース会計基準に備えていきます。あと2年半ほど時間があるため、それまでにmultibookで得た知見を活かし、子会社にも対象資産登録を依頼するなど体制を整えていきたいと考えています。時期が来たらしっかり展開し、スムーズな日本の新リース基準対応を実現したいです。
[取材に対応いただいた方々]
株式会社カカクコム コーポレート本部 財務経理部 部長 布川 綾子氏
株式会社カカクコム コーポレート本部 財務経理部 マネージャー 浅井 賢司氏
株式会社カカクコム コーポレート本部 財務経理部 佐藤 昂氏
お客様概要

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会社名
株式会社カカクコム
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事業内容
サイト・アプリの企画運営、各種プラットフォームの提供
- URL https://corporate.kakaku.com/
IFRS16号リース資産管理機能の導入で、四半期決算業務を10時間以上削減
脱Excelで、リース資産管理を標準化

鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 部長 頼 壮一郎氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 副長 岩本 麻季氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 担当課長 前田 敦博氏
総合物流サービス企業 鴻池運輸株式会社は、世界に拠点を展開、フォワーディングとローカルロジスティクスを軸に顧客の需要に対応した安全・安心のサービスを提供しています。同社では海外現地法人5拠点に関して、日本本社側でExcelを使ってIFRS16号リースの連結修正仕訳の作成を行っていました。multibookのIFRS16号リース資産管理モジュールの存在を知り、コストパフォーマンス、導入の手軽さ、手厚い現地サポートを評価して導入を決断。現在は、連結修正仕訳が自動作成可能になり、四半期ごとに10時間以上かかっていた手作業による業務が不要になり、プロセス標準化も実現、海外現地法人の作業負担も軽減しました。
Excelでの連結修正仕訳による業務負荷・ミスをゼロへ!IFRS16号対応のmultibookリース資産管理機能のサービス資料はこちらから>>
導入前の課題
- 海外5拠点に関して、日本本社側がExcelでIFRS16号の連結修正仕訳の作成を行っていた。
- IFRS16号修正仕訳の作成は時間のかかる作業で、四半期ごとに少なくとも1拠点当たり2時間、5拠点で年間40時間以上の業務量が必要で作業負荷、精神的負荷が高かった。
- IFRS16号に関係する契約内容の管理は、5拠点それぞれに管理様式やレベルが異なり、属人性の高い作業となっていた。
multibookを選んだ理由
- シンプル且つ、多言語対応でコストパフォーマンスが高く、海外現地法人でのコスト負担も可能だった。
- クラウド型のシステムでIFRS16号リース資産管理モジュールに特化してクイックに導入できた。
- 海外現地法人への導入支援・トレーニングで、現地言語での手厚いサポートが期待できた。
導入後の効果
- IFRS16号連結修正仕訳の自動作成実現により、四半期ごとの限られた締め期間に発生していた3名がかり、10時間以上のExcel手作業が不要になった。
- Excel管理を脱却、IFRS16号連結修正仕訳のプロセス標準化が実現し、それまで発生していたミスや属人化が解消された。
- リース管理業務の標準化、システム化により、海外現地法人の作業負担も軽減した。
「技術で、人が、高みを目指す」グローバルな総合物流サービス企業
―― 事業内容を伺わせてください。
頼:鴻池運輸は、社名に運輸とついていますが、運輸だけが仕事ではなく、メーカー企業の生産工程やサービス工程の支援にも強みを持つ会社です。特に、鉄鋼大手や飲料大手との関係は深く、前者ではすでに100年以上構内作業をお手伝いしています。売り上げ的にもこちらが大きなボリュームを占めています。また、世界に拠点を展開し、フォワーディングとローカルロジスティクスを軸にお客さまの需要に対応した安全・安心のサービスを提供しています。さらに今後は、これまでに培ってきた技術を活かして空港やエンジニアリング、新しい領域としてはメディカルといった分野にも力を入れていこうとしているところです。
KONOIKE 2030 VISIONでは「技術で、人が、高みを目指す」を掲げており、いわゆる現場の理科系の技術のみならず、私たちのようなコーポレート部門でも、IT活用などでより楽に、速く、正確に業務に取り組むことも「技術の高み」に含まれています。今回のmultibook導入プロジェクトもそのような取組の中の一つとなっています。
IFRS16号リース資産管理モジュールを知って課題解決を決断
―― 今回、どのようにしてmultibookに出会っていただきましたか。

頼:きっかけは弊社情報システム部門からの紹介でした。海外法人管理向けのクラウド型ERPで、IFRS16号に対応したリース資産管理ができるシステムだということで紹介を受けたのですが、当時弊社のIFRS16号対応を含めたリース資産管理は手作業で行っている部分もあったため、システム化できたらと考え、「ちょっと話を聞いてみたら」と同じ経理部の前田につなぎました。
前田:正直最初は「どんなことができるシステムなんだろう」という感じでした。当初はクラウド型の会計・ERPサービスがあるということでサービス紹介を受けたのですが、その際、見せてもらった資料にIFRS16号対応という記載がありました。気になって説明を聞いてみると『IFRS16号リース資産管理』というモジュールがあって、連結注記情報や連結修正仕訳の自動作成・出力ができ、この機能単体で導入できるというので「これはいいのでは」と関心を持ち始めました。
実は、タイ、ベトナム、フィリピンの海外3カ国5拠点について、IFRS16号の連結修正仕訳の作成は、日本本社側がExcelで行っていました。四半期ごとに1拠点当たり少なくとも2時間は必要で、計10時間以上の業務量となっていました。新規のリース契約が発生した場合は、現地語で作成されたリース契約書の確認や、管理用の追加Excelシートの作成などでさらに追加の時間がかかっており、どうにか出来ないものかと思っていました。Excelですから現地法人のデータ入力ミスも免れませんでした。また、5拠点それぞれに管理のレベルが異なっており、Excelファイルを多用する属人性の高い業務になっていました。そのため、常日頃、業務の効率化や決算をスムーズかつ正確にできるよう改善していきたいとは考えていました。
ただ、当初IFRS16号の連結修正仕訳は日本本社側が手作業で引き受けるしかない業務だと思っていたため、課題認識もなかったのですが、マルチブック社の話を聞いてみて、現状の業務に改善の余地があり、multibookでそれが実現できるのだと希望を持つようになりました。
―― 2022年10月初顔合わせのあと、翌11月にはもう導入をご決断いただきました。multibookを採用の理由をお聞かせください。
頼:1つめはコスト感です。multibookの利用費用は海外現地法人のコスト負担とする前提だったため、現地法人が納得を得られる価格である必要がありました。また、シンプルな作りのSaaSでUIもよく、クラウド利活用を進めている当社にとっても、海外現地法人にとっても適したシステムではないかと思えました。

前田:IFRS16号リース資産管理モジュールのみを導入できる手軽さも魅力でした。ある意味お試し感覚で導入して、「使いづらかったらやめればいい」くらいの軽い感じで考えられたのが決断できた要因かなと思います。もう一つは、現地対応サポートですね。現地の経理担当者が迷いなく、正確にデータを入力できるか不安だったのですが、multibook導入はユーザートレーニングもスコープ内で、ベトナム拠点の担当者はベトナム語通訳を介して、タイ拠点はMultibook Thailandのメンバーを介してタイ語で現地担当者に、といった具合に現地言語での手厚いトレーニングやサポートを約束してくれたのは大きかったです。日本本社側が現地スタッフのトレーニングに時間を割いて説明するとなると導入にかかる工数負荷がまったく違いますから。トレーニングも含めて全部任せられるという点がすごくよかったです。
正直、海外現地法人にとってはコストアップになり新しい作業も生じるため、当初は少し導入に抵抗ありましたが、multibookを使うことでリース資産管理に伴う現地スタッフの作業負担は減らせることを説明すると、納得してくれました。
頼:このようにIFRS16号に対応したリース資産管理機能だけに絞り、コンパクト且つクイックに海外現地法人に導入し、現地語対応しているといったシステムは他になかったため、multibook導入を即決しました。
―― 2022年12月から導入をスタートし、翌年4月に全拠点の導入を完了されたそうですが、どのようにプロジェクトを進められたのでしょうか。
前田:マルチブック側の導入・現地スタッフトレーニングのリソースも調整していただけたので、5拠点同時に導入をスタートさせました。

岩本:導入プロセスでは、もともとExcel管理していたある時点での資産残高や計算結果と、multibookにデータを投入して出てきたそれらを突合させ、テストを行ったのですが、ここでいくつか差異が出てきました。調査してわかったのは、いくつか特殊な契約形態があるということでした。当初multibook側にそれに対応した機能はなかったのですが、追加開発をご相談し、検討を重ねた結果、機能追加をしていただけることになりました。機能追加が決まってからの開発もスピーディーに対応いただけ、これはすごくありがたかったです。もし対応してもらえなかったら、結局のところ、一部はmultibookで管理、一部はExcel管理と二重管理になっていたと思いますが、すべてmultibook内で管理できるようにした上での導入が実現できました。
また、現行のリース資産の管理方式とmultibook上の管理方式では異なる点もあり、最初は戸惑ったのですが、マルチブックのカスタマーサポートの方に電話やメールでレクチャーしていただけたので、すぐに慣れることができました。現地法人スタッフへのサポートも、現地語でのトレーニングや現地法人の業務にあわせたシステム利用マニュアルを作成していただき、スムーズに立ち上げが出来たと感じています。
このように、当初想定していなかったやりとりがあったにも関わらず、2023年4月末にはすべての拠点で導入が完了しています。
日本本社での業務はゼロに、プロセスの標準化も実現
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。
前田:5拠点の海外現地法人がリース物件をmultibookに登録すると、そのリース資産が少額リースなのか、短期リースなのか、資産計上リースなのかを自動判定した上で、使用権資産当初計上額、リース負債当初計上額、毎月のリース負債返済額、支払利息、減価償却費が自動計算されます。一方、日本本社側のmultibookでは、ローカル基準、IFRS基準、双方の基準を保持したまま、連結修正仕訳情報、連結注記情報を自動出力できるようになりました。
―― 現時点でどのような導入効果を実感されていますか。
岩本:私は以前タイの2拠点とフィリピンの1拠点を担当しており、まさに自分でExcelを使って手作業でIFRS修正仕訳を作成して、その分確認にもかなりの時間を割いていたのですが、今第二四半期決算業務が始まったところで、まさに効果を実感しています。今まで自分が行っていたExcelでの手作業が不要になり、IFRS修正仕訳がボタン一つで出力できるというのは本当にうれしく、満足しています。経理部としても、四半期ごとに要していた10時間以上の業務量が解消された状態です。連結修正仕訳は3名という限られた人数で実施しているため、その中で四半期ごとにミニマムで10時間削減されたというのはかなり大きな効果だと感じています。手作業による連結修正仕訳の結果確認には時間だけでなく、正確性の担保をしなければといった精神的な負担も大きかったのですが、システムで担保できるようになり、メンタル的にも楽になりました。
もう一つ重要な効果は、プロセスの標準化が図れたことです。Excel管理の時代に生じていた現地法人ごとの管理様式・レベルのばらつきがmultibookによって統一され、属人化が解消されました。そのため以前は管理のためのマニュアルなども作成していたのですが、今は連結決算の担当者が変わっても対応できるようになっており、引き継ぎも楽になっています。
前田:Excel管理から脱却できたことで、データ入力ミスを減らせたことも効果の一つです。以前はExcelで四半期ごとの更新や、新規・解約といった連結仕訳を担当者が作成し、データ登録を行っており、レビュー担当者の指摘によりミスが発覚することも多かったのですが、multibookの導入でそれが無くなりました。
―― もし、multibookに点数をつけていただくとしたら何点ぐらいになるでしょうか。

頼:当初に期待していたことが全部実現できていますから、5段階中の最高点をつけてもよい、と思っています。理由は予期せぬエラーがなかったという点です。こういうシステム導入は、たいてい想定していなかったエラーが起こって導入が遅れる、導入メンバーの追加投入が必要、あるいはユーザー部門からの猛反発が来る、などいろいろ起こりがちなのですが、multibookに関しては、海外現地法人の拠点長から最初に少し抵抗があったということくらいで、それも導入効果やサポート体制を説明しすぐに納得いただけたので、そこは非常に評価すべき点かなと思います。
前田:新規のリース契約や契約更新が発生した際きちんとmultibookに反映されるかという点は当初不安ではありましたが、導入完了以降、今の所特に問題なく海外現地法人でも運用できているようで、改めてシンプルでわかりやすいシステムなのだと実感しています。このようなスムーズな立ち上げにあたって、日本本社側への負担が全くなかったというところもかなり助かっています。
―― ありがとうございます。今後の展望を伺わせてください。

頼:冒頭で少し触れたように、海外子会社のERPがバラバラになっているため、会計モジュールを始めとして同一のERP体系に統一できれば、海外現地法人の活動把握が容易になると期待を寄せています。ただ当社としては、物流を提供する会社が使えるロジスティックスモジュールがその上流に欲しいところで、そうしたシステムからデータを取得して会計データと連携させるようなことができれば最高ですね。なにより、IFRS16号リース資産管理はmultibookが相当先行していると思います。ぜひ日本国内でも展開を加速し、不動の地位を獲得してください。
脱Excel管理・業務標準化を叶えるIFRS16号対応のmultibookリース資産管理機能の概要資料はこちらから>>
[取材にご対応いただいた方々]
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 部長 頼 壮一郎氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 担当課長 前田 敦博氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 副長 岩本 麻季氏
[取材/文]
吉田 育代
[フォトグラファー]
矢野 拓実
お客様概要

-
会社名
鴻池運輸株式会社
-
事業内容
鉄鋼事業、エンジニアリング事業、食品関連/定温物流事業、食品プロダクツ関連事業、生活関連事業、メディカル事業、空港事業、国際物流事業、インド事業
- URL https://www.konoike.net/
紙とExcel管理で属人化していた海外現地法人の多通貨立替精算業務を multibookでDX 作業時間を4日削減!

[写真左より]エクシオグループ株式会社 グローバルビジネス本部 縄田 和也氏、財務部 井上 詩菜氏
エンジニアリングで社会課題の解決や人々の豊かな暮らしに貢献しているエクシオグループ株式会社では、海外現地法人の出向社員に対して、規定に基づき経費を支払っています。この立替経費精算業務は紙やExcelで管理されており、属人化する傾向がありました。同社では2023年4月に開催された「DX活動計画発表会」を機に、業務改善を決断。日本国内で、唯一この業務をカバーしていたmultibook立替経費精算管理を5カ所の海外現地法人に導入しました。その結果、導入当初で月当たり4日の時間短縮が実現。現地の駐在収支管理担当者も、管理する本社側も、より本質的な業務に時間が割けるようになりました。
海外拠点の立替経費精算は外貨対応のmultibookで!サービス資料はこちらから>>
導入前の課題
- 海外子会社での立替精算業務が紙やExcelベースで時間を要し、作業内容が属人化する上にミスも多かった。
- 拠点ごとに異なる煩雑なExcel管理で、本社でのデータ確認業務にも時間がかかっていた。
- 財務部では証憑原本を書庫で保存しており、後からの検索に労力がかかっていた。
multibookを選んだ理由
- 海外の為替レートに対応可能だった。
- 海外拠点の立替精算業務が可能な唯一のソリューションだった。
- multibookからダウンロードしたデータを利用して、本社の会計システムであるSAPへのデータ投入が容易にできた。
導入後の効果
- 現地収支管理者の負担が減り、立替精算業務処理完了まで月当たり4日の時間短縮が実現した。
- multibookから出力するCSVデータにより、本社会計システムSAPへの情報連携が容易にできるようになり、財務部の労力が軽減した。
- multibookの証憑添付機能によって本社で証憑現物を保管する必要がなくなり書庫を撤去することができた。
技術力を強みとする3つのエンジニアリングで、未来の“あたりまえ”を創造
―― 貴社の事業内容をお聞かせください。

縄田:エクシオグループは、技術力を強みとするエンジニアリング企業です。大きく3つの事業分野があり、情報通信ネットワークの分野では、各種通信設備の企画・設計から施工・運用・保守まで、一貫したサービスを日本全国で展開しています。都市インフラ分野では、通信建設で鍛えた電気・土木技術を活かして鉄道やデータセンター、上下水道、ごみ処理プラントなどの建設を行っています。システムソリューション分野では、ICT(情報通信技術)を駆使して、お客様のビジネスプロセス変革や情報セキュリティ強化、省エネルギーなど多様なニーズに応えるソリューションを提供しています。
煩雑な海外拠点の立替精算管理にmultibook立替経費精算管理を導入
―― 今回、multibook立替経費精算管理をご導入いただきました。貴社における海外拠点での立替経費精算業務には、どのような課題がありましたか。
縄田:現在、当社には海外に出向している社員が家族と合わせて約30名いるのですが、出向社員は海外子会社に勤務しており、給与などは海外子会社から支給されます。これ以外の費用、たとえば医療費や家族の教育費用、一時帰国費用などは、エクシオの海外駐在員規定に基づき、本社が支払います。個人で立て替えておいてもらい、各国の収支管理者が取りまとめ、現地で持っている小口口座から毎月精算し、私の所属するグローバルビジネス本部に使った支出を毎月報告します。グローバルビジネス本部では、勘定科目や金額が間違っていないかといったことを確認して、データを財務部へ渡します。財務部では、今一度勘定科目や金額が合っていることを確認した上で、為替差損益の計算を行い、本社の会計システムにデータを登録します。また、現地から「お金が足りなくなってきた」と連絡を受けたら、小口口座に送金を行います。
この海外出向者の立替経費精算を、1991年にフィリピンに子会社が誕生したときから今まで、毎月紙やExcelベースで管理していました。現地の収支管理者は毎月報告書を作成しなければならず、仕訳の方法やExcelフォーマットも属人化しており、その人しかできない業務になっていました。

井上:財務部では、「この海外子会社から来たExcelは、こことここを見る」というように担当者ごとに異なる報告の仕方について代々申し送りがありましたので、それに沿って毎月の駐在収支管理報告書を確認していました。また、現地から送られてくる領収書の現物をバインダーに閉じて書庫に格納する作業も、財務部の業務になっていました。紙なので、後から確認が必要になったとき検索するのが大変でした。また、本社のSAPに投入するための情報を、個別に手作業で作成する必要があり工数がかかっていました。
―― どのようにしてmultibookを知っていただきましたか。
縄田:2023年3月、当社で「DX活動計画発表会」を開催することが発表され、各組織から1テーマを出して7分間取り組みについて話すことになったのです。グローバルビジネス本部では海外出向者の立替精算業務を改善してはどうかという話になり、発表に合わせソリューションを探すことになりました。
最初に相談をした会計ソフト会社は海外の為替レートに対応しておらず、次にIT製品を比較検討できるサイトに相談したところ、multibookともう1社を提案頂きました。もう1社はExcelベースのソリューションだというのでイメージが違うなと思いmultibookを見てみたら、ダウンロードした資料に「Excel管理の限界」や「業務の属人化」などまさに課題だと感じている点を訴求した文言があって、「これこれ!」と思い連絡しました。提案をいただいて、かゆいところに手が届くシステムだと感じ、どんどん話が進みました。
「DX活動計画発表会」では、multibookの導入を前提に発表を行いました。会社からは、発表したテーマについては1年間活動し、10月に中間発表、翌年2024年3月に結果を報告するように、とのことでした。グローバルビジネス本部では、費用対効果があるなら導入しようということになり、現地の収支管理者、グローバルビジネス本部、財務部の業務改善につながるWin-Win-Winの取り組みであり、月間12日かかっている業務を月当たり3.5日に削減できると目算を立てて、導入を始めました。
―― 導入に当たって何か苦労されたことはありましたか。

縄田:少し社内で調整が必要でした。当社は会計システムとしてSAPを使用しているのですが、出向者の立替経費精算の情報は最終的にSAPへデータ連携をする必要がありました。multibookのデータをCSV形式でダウンロードし、SAPに投入して問題なさそうか、社内のシステムセキュリティ担当に聞いてOKをもらったのが10月でした。また、パラメーターの初期設定も大変でしたが、財務部の協力を経て無事に終えることができました。1か月ほどかけてマルチブック社とQ&A表を使いながら不明点解消のためのやり取りを行い、11月末にはデータの入力が可能な状態となりました。海外にいる収支管理者向けにはマルチブック社からオンラインで勉強会を実施してもらい、12月から紙やExcelの運用との並行稼働で本番移行し、2024年1月からは完全にmultibookだけで運用しています。
導入まもなく月当たり4日の時間短縮、現地と本社で作業負荷も大きく軽減
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。
縄田:最初はフィリピン、シンガポール、タイ、インドネシアの4海外拠点でスタートし、効果を実感したので、後にアメリカを追加し、現在は5拠点で使っています。
―― どのような導入効果を実感していただいていますか。

縄田:「DX活動計画発表会」としての最終報告では、2024年1月から3月までの実働ベースで測定して、立替精算業務としての時間短縮は月当たり4日と書きました。ただ、この時点では作業の習熟がまだ十分ではなかったので、今後この数字はもっと伸ばせると思っています。作業負荷の軽減という観点では、海外にいる収支管理者はmultibookに統一書式でデータを入力すればいいだけになり、領収書はカメラで撮影して明細ごとに添付し、原本は手元で保存すればよく、本社への郵送は行わなくていいことにしました。これで本業により時間を割けるようになったと思います。グローバルビジネス本部としても、確認にかかる時間が半減しました。
井上:今まではExcelで提出された明細と紙で郵送されてくる領収書を突合するのにすごく時間がかかっていたのですが、今は1明細につき1証憑が結びついている状態なので確認がすごく楽です。以前は1日1カ国処理するのが精一杯だったのに、今は1~2日で全ての拠点の立替経費精算を処理できるようになっています。また、本社SAPへの連携も、multibookからダウンロードしたCSVを投入するだけでよくなったことも、省力化につながっています。これまではデータ加工のために自作ツールを使ったり、最悪の場合手入力をしていたため、かなり楽になりました。さらに、本社への領収書原本郵送のプロセスが無くなったことで保管場所だった書庫が要らなくなって撤去しました。
縄田:このプロジェクトで、これまで立替経費精算の確認・承認プロセスでしか接点のなかった財務部とコミュニケーションが取れ親密さが増したことも大きかったです。また、「よく使う仕訳パターンを瞬時に呼び出せるパターン登録機能を作ってほしい」と、multibookのレビューに書いたところ、翌月には対象の機能を実装したと連絡が来て、迅速に要望を酌んでもらったことも非常にうれしかったです。
―― ありがとうございます。今後の展望を伺わせてください。
縄田:multibookによって、海外拠点での支出状況が可視化できるようになりました。今後はデータ分析ツールを使って、余裕を持って小口口座へ送金できるようタイミングを見計ったり、各出向者ごとの経費を把握できるようになればと思います。現在は特に発生していませんが、不正抑止という観点でも、データを詳細に見ていければと考えています。
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[取材に対応いただいた方々]
エクシオグループ株式会社 グローバルビジネス本部 縄田 和也氏
エクシオグループ株式会社 財務部 井上 詩菜氏
[取材]
吉田 育代
[フォトグラファー]
矢野 拓実
お客様概要

-
会社名
エクシオグループ株式会社
-
事業内容
通信キャリア事業/都市インフラ事業/システムソリューション事業
- URL https://www.exeo.co.jp/
月次決算〜役員向け報告にかかる日数を15営業日短縮!
multibook導入により海外4拠点の業績一元管理、見える化を実現し、Excelでの煩雑な管理から脱却

[写真右]住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ グループリーダー 上田 桂子氏
[写真左]住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ 湯 皎伶氏
>海外拠点管理に最適なクラウド型会計・ERPサービス「multibook」に関する資料ダウンロードはこちらから。
半導体製造に欠かせない「イオン注入装置」の日本のトップメーカーである住友重機械イオンテクノロジー株式会社は、台湾、中国、韓国、米国に現地法人を展開しています。従来、委託先の会計事務所よりExcelファイルで財務諸表のみ受領していたため、詳細な仕訳レベルでの分析に課題がありました。ある会計・財務のソリューションの展示会でmultibookの存在を知り、わかりやすいUI、シンプルな仕組み、リーズナブルな価格を高く評価して採用を決定。1拠点1~1.5カ月で次々導入を完了し、現在では海外4現地法人の業績を横並びで見られるようになっただけでなく、月次締めから経営層への報告リードタイムを15営業日も短縮しました。
導入前の課題
- 海外現地法人の業績情報は、それぞれの委託先の会計事務所から受領するExcelの財務諸表のみ。フォーマット・言語はバラバラ、分析に必要な仕訳明細情報が入手できなかった。
- 役員から過去データについて問合せ・分析依頼を受けた際は、Excelファイルからデータを抜き出して加工する必要があった。
- 各海外現地法人の財務諸表が送られてくるのは翌月末であるため、経営層に報告できるのはさらにその翌月までかかっていた。
multibookを選んだ理由
- UI(※)が非常に使いやすく、親しみやすい設計だった。
- シンプルな仕組みで、導入や運用も容易そうだと直感できた。
- 海外現地法人すべてに導入した場合でもコストパフォーマンスに優れていた。
導入後の効果
- 締め後2週間で海外子会社の決算データを把握できるようになり、経営層への報告リードタイムが15営業日も短縮した。
- 海外4現地法人の業績を一元管理できるようになった。
- 仕訳の検索・照会、残高からのドリルダウンも可能になり、必要な時に加工の手間なく調査や分析が可能になった。
(※)UI:ユーザーインターフェース(User Interface)。Webサイトやアプリケーションなどの見た目や使いやすさのこと。
半導体製造に欠かせない「イオン注入装置」の日本のトップメーカー
―― 貴社の事業内容を伺いたく存じます。
上田:住友重機械イオンテクノロジーは、「イオン注入装置」の製造会社です。これは半導体デバイスを作るのに欠かせないもので、半導体の素材となるシリコンウェハにイオンを打ち込み、半導体としての電気的特性を作り込む役割を果たします。「イオンビーム」を操る技術を武器に半導体製造を通じて社会の未来に貢献する、というのが当社のビジョンです。イオン注入装置にも種類があり、高エネルギー・中電流・高電流という3種類を製造しているのは日本で当社だけです。現在、台湾、中国、韓国、米国の4拠点に現地法人があります。
海外現地法人の詳細な仕訳情報が取得不能で一元管理に課題
―― multibook導入前は、海外現地法人の会計管理にどのような課題があったのでしょうか。

上田:4拠点とも会計業務は現地の会計事務所に委託しており、毎月Excelファイルで財務諸表を送ってもらっていました。各国それぞれ別のフォーマットで、それぞれの言語で書き方も違っており、詳細な仕訳データというのは取得できませんでした。そのため、たとえば科目の定義なども各国で違っており、海外現地法人の売上を一元的に管理する、報告された数字の確からしさを検証するといったことが非常に難しかったのです。
また、毎月財務諸表がExcelファイルで蓄積されていく形なので、過去月について、何か調査や分析が必要なときは、膨大なデータから必要なデータを抜き出して手作業で加工する必要がありました。
データの取得という点でも、海外拠点が月次で締めた情報がその翌月中に日本に何とか届くというスピードだったので、そのさらに翌月にならないと本社経営層への報告ができないような状況でした。
―― どのようにmultibookを知っていただいたのでしょうか。
上田:2022年5月の会計・財務のソリューションが多数集まる展示会に行った際に偶然見つけました。multibookのブースに立ち寄り、そのコンセプトを見て、「これはうちで使えるんじゃないか」という直感がピピッと働き、すぐその場でサービス説明とデモンストレーションを受けました。
まず、UI。非常に使いやすく、親しみやすい設計になっていました。また、すごくシンプルな仕組みだなと感じました。そして、シンプルであるがゆえに導入や運用も容易そうだというのが一番惹かれたところです。
実はmultibookのような仕組みの他のシステムも少し調査してみました。しかし、今挙げたポイントと、各海外現地法人の業績を一つのプラットフォームに寄せて一元管理できるシステムであるということ、そしてコストパフォーマンスの高さが他にはない魅力でした。手頃な価格で、海外現地法人4社を管理できるのであれば、人ひとり雇うよりも安価に収まるのではないかと・・・。これが経営層へのアピールポイントにもなって、導入を決めることができました。
―― 2022年10月の最初の導入拠点に台湾を選択された理由と、導入の過程で苦労されたことがあれば教えてください。

湯:同時に4拠点の導入を行うのは負荷が高いということと、「習うより慣れろ」ということでまずは1拠点導入してみようということになりました。台湾から始めたのは、最も歴史のある重要な海外現地法人だったからです。取引量やデータのバリエーションも充実しているため、導入の基礎作りとして最初の拠点に最適だと考えました。着手した当初はそんなに苦労せずにすむだろうと思っていました。ところがふたを開けてみると、日本本社の仕訳の基準と照らし合わせた時に足りない仕訳情報や取引先情報があったりして、そのデータをどこから持ってきたらいいかがわかりませんでした。そこでマルチブックのカスタマーサポートに相談した結果、別のところで記録されているデータを活用するというアイデアを得ました。おかげで、1.5カ月という短期間で導入できて非常に助かりました。とても感謝しています。
上田:次に選んだのは上海です。台湾の次に歴史が古く、同じように重要で早く管理を始めたかったのがその理由です。こちらの導入は2023年2月にスタートしました。とにかくはやく海外拠点の一元管理を実現したかったので、台湾だけでしばらく運用して様子を見るという発想はありませんでした。この上海拠点は上海の支店とは別に北京にも支店があり、中国独自のルールによりそれぞれの支店で仕訳帳を持っています。その為、上海の子会社としては2つの帳簿を持つのですが、日本本社としては上海拠点1つとして管理したいという要件があり、2つの帳簿を統合することにしました。支店間の関係会社間取引の重複整理には苦労しましたが、その際もマルチブックのカスタマーサポートの方が、うまくデータを整理できるようにExcelマクロを作ってくれました。そのような形で作業は順調に進んで、やはりこちらも1.5カ月で導入完了しました。

湯:その後、2023年4月より海外現地法人として日が浅く、取引データ量も少ない韓国、米国2拠点を同時スタートして2カ月で導入しました。台湾の経験でどのようなデータが必要かわかったので、事前にいろいろ準備して進めることができました。
海外4法人の一元管理が実現、経営層報告も15営業日以上の時間短縮
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。
湯:各海外現地法人が委託している会計事務所に当月の仕訳情報を整理してもらい、それを日本本社へ送ってもらうと、そのままmultibookへ取り込んでいます。その結果を我々がマネジメントコックピット(海外拠点の業績管理強化、内部統制強化、経営意思決定に有用な国内・海外全ての拠点の情報をリアルタイムに提供するダッシュボード機能)を通して見るというスタイルになりました。よく見ているのは海外子会社4拠点の業績を横並びで比較できるダッシュボード(図1)です。毎月、海外子会社によるmultibookへの月次仕訳明細アップロードが完了したら、まずこの画面でその結果を確認するようにしています。その際、すべて日本円に換算して各拠点を比較しながら一元的に見ています。あとは関係会社取引残高のダッシュボードなども見ていますね。

>海外複数拠点の業績を視覚的に一目で把握!Management Cockpitのサービス紹介資料はこちら
―― 現時点でどのような導入効果を実感されていますか。
湯:一元管理が実現して、各海外現地法人のデータが横並びで見られるようになったことは大きな効果です。いちばんの驚きは、上海の売上高の伸びです。Excelファイルによって個々の通貨で見ていたときには気づけなかったのですが、日本円で比較してみて「台湾を抜いた!」と思って目が丸くなりました。multibookは機能が豊富で、以前は苦労していたExcelによる手作業を挟まずとも、財務諸表を自分なりに見たい切り口でカスタマイズすることも可能なので、今後使いこなしていきたいですね。
上田:私が考える最大の効果は、海外子会社の月次業績を早く経営層に報告ができるようになったことです。現在は月次締め後、2週間ぐらいで本社でmultibookへのデータ取込みできるようになり、完了すればその時点ですぐ報告できる環境が整います。翌々月にならないと報告できなかった以前に比べると、15営業日もリードタイムを短縮することができました。

また、過去の業績について「あの数字はどうだったかな」と経営層から尋ねられる機会が多々あるのですが、multibookを導入した今はデータを探し出して、Excelで加工せずにすぐに見せられるのでとても助かります。現在のところ使い勝手や機能に減点要素はなく、大変満足しています。
今はまだ過去データの蓄積がない状態ですが、今後データが溜まってくると過去のトレンドや、前年対比の情報を経営判断に活かすこともできるようになるのではと思っています。
―― ありがとうございます。最後に、今後の展望を伺わせてください。
湯:直近の目標としては、財務表をカスタマイズして見たい情報が見れるレポートを作成できるようになればと思っています。正式に連結しているのは台湾の子会社だけですが、SMITグループとして独自の連結レポートを作成し、2023年度の実績をSMITグループとして整理したいと思っています。
上田:今後、海外現地法人の責任者に対して、一部のデータを開示することを検討しています。そうなると、「ここの支出はどうなんだろう」と現地のマネージャーが自ら検討することも出てきて、multibookを活用して現地法人の経営改善を行う日が来るかもしれません。そうなってもmultibookであれば十分使いこなしていけるだろうと考えています。
multibookは使いやすく高機能なので、当初は日本の子会社にもどうかという話があったのです。ただあまりにデータの量が多く、導入負荷が増大するため、海外現地法人に絞ったという経緯がありました。こちらについては今も引き続き検討しています。
また、multibookには会計やロジスティクスの機能もあるので、こういったところを国内・海外の子会社で活用できたら、さらにコストメリットを出していけるのではないかと考えています。海外現地法人に関しては現在経理業務を外部委託しているのですが、将来的には内製化するタイミングがやってくると思っています。そのタイミングで現地法人の会計システムとしてmultibookを導入できれば、内部統制の観点でも強化しながら、日本側との連携もよりスムーズになるのではと思っています。
>海外拠点管理に最適なクラウド型会計・ERPサービス「multibook」に関する資料ダウンロードはこちらから。
[取材に対応いただいた方々]
住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ グループリーダー 上田 桂子氏
住友重機械イオンテクノロジー株式会社 企画管理部 管理グループ 湯 皎伶氏
[取材・文]
吉田 育代
お客様概要

-
会社名
住友重機械イオンテクノロジー株式会社
-
事業内容
イオン注入装置の開発、製造、販売及びサービス
- URL https://shi-ion.jp/
日本拠点のリース資産に関するIFRS修正仕訳作業時間を50%削減!
さらに属人化も解消

[写真左より]株式会社 Food Innovators Japan 経理部 主任 K氏、ファイナンシャルコントローラー S氏、経理部 H氏
日本と世界を飲食で繋ぐことをめざす株式会社Food Innovators Japan(以下、FIJ)は、シンガポールに本社を置く飲食業界のイノベーターです。同社の親会社であるシンガポール法人のFood Innovators Holdings Limited(以下、FIH)は、2024年10月にシンガポール証券取引所(SGX)に上場しました(証券コード KYB)。実質的な本社機能は日本支社であるFIJが担っています。
FIHはシンガポール証券取引所への上場を視野に入れたことで、リース会計処理をIFRSに則って行うことが求められました。特にFIJでは、主力事業であるサブリース事業において、多数の飲食店舗物件をリースしており、決算期には複雑な修正仕訳が必要でした。
リース資産はExcelで管理されており、複雑な計算処理が必要なため、決算期のIFRS修正仕訳作成に約40時間を要していました。さらに、この処理は特定の担当者に依存しており、ミスのリスクが増大していました。そこで、FIJはmultibook IFRS16号リース資産管理を導入し、作業時間を約20時間に短縮しました。これにより、作業の効率化が進むとともに、修正仕訳作成の属人化も解消されました。さらに、レポート作成などの監査対応業務の時間短縮と効率化も進みました。
導入前の課題
- 煩雑なIFRS修正仕訳をExcelで対応していたため、問題が発生しても迅速に対処するのが難しかった。
- リース資産管理の内製化を進めたが、ExcelでのIFRS修正仕訳作成は複雑な計算が必要で、決算期に40時間を要していた。
- Excel管理のため作業が属人化し、担当者に依存していた。
- 監査法人が、Excelワークシートを理解するのに時間を要していた。
multibookを選んだ理由
- 迅速に導入でき、すぐに使い始めることができる。
- IFRS16号に対応した機能が網羅されており、必要なレポートもすぐ出せる。
- 画面が見やすく、使いやすそうだと直感的に感じた。
導入後の効果
- 決算期に発生するIFRS修正仕訳にかかる作業時間が40時間から20時間に半減した。
- 修正仕訳作業の属人化が解消され、会計知識があれば誰でもIFRS修正仕訳を扱えるようになった。
- 監査対応業務の時間短縮と効率化が進んだ。
本社をシンガポールに置く飲食事業イノベーター
―― 事業内容をご紹介ください。

S氏:FIJは、日本と世界を飲食で繋ぎ、世界中に「美味しい」がある場所を拓いていこうとしている飲食事業グループです。なかでも世界で注目を集めている日本食を世界に広めたいと考えており、日本食需要の高いシンガポールに本社を置いてビジネスを展開しています。
大きく2つの事業柱があります。1つは自社運営レストラン事業です。店舗数は、シンガポール10店、マレーシア5店、日本は直営店6店、運営委託店6店と全部で27店です。もう1つが店舗物件のサブリース事業です。これは、首都圏の商業地を中心に大家さま所有の物件を私たちがひとまずリースし、それを飲食店運営者の方々に再リースするというものです。リスクは間に入る私たちが取るため、大家さまは安定的にリース収益を上げることができ、飲食店運営者の方々は店舗を賃借しやすくなるという双方にメリットがあります。現在、当社がサブリースを行っている店舗は200店を超えます。
シンガポールで上場を目指し、IFRSリース資産管理にmultibookを採用
――今回、multibook IFRS16号リース資産管理を導入いただきましたが、以前はどのような課題がありましたか。
S氏:課題があったのはサブリース事業です。当社はシンガポールでの株式上場をめざすべく、会計基準に国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、以下IFRS)を採用しました。IFRSでは、私たちが大家さまから借りている物件は、使用権資産としてバランスシートに乗せなければなりません。それも将来の賃料を現在価値に割り引くといった複雑な計算が必要です。一方で日本国内は日本会計基準で管理を行っているため、決算期にIFRS修正仕訳が必要でした。約200店舗分のリース資産管理の作業を、従来は外注してExcelで処理していました。
しかし、私が当社に合流した2年前に内製化へ舵を切りました。外注に頼っていたのでは、当社内にノウハウが蓄積できず、何かあったときに迅速に対応できないからです。ただ、いざ内製化してみると、このIFRS修正仕訳は非常に大変で、ただでさえ多忙な決算期に40時間も作業時間がかかりかなり負担になっていました。また、複雑な関数を用いたExcel処理はどうしても属人化してしまいます。そこで、なにかいいツールはないかと思って探し始めました。
―― どのようにmultibookを知っていただいたのでしょうか。
S氏:インターネットで検索をして見つけました。当社にとって重要だったのは、さきほどいった将来賃料の割引現在価値ですとか、資産計上額、負債計上額の表示、毎月のリース料支払いで発生する減価償却費や支払い利息の把握です。また、このような情報がすぐレポートとして出せるのもよく、IFRS16号の対応に必要な機能をmultibookは網羅していました。
―― 他の製品/サービスも検討されましたか。
S氏:しておりません。当社は2月決算のため2023年の春ごろからツールを探しており、2024年2月期の決算には使い始めていたかったことと、マルチブックの担当者から話を聞いたときに見たデモでも画面が見やすく、使いやすそうだったため、すぐにmultibookの導入を決めました。
―― 2023年5月からの導入はどのように進められましたか。

S氏:導入は2段階で進めました。まず、2023年8月を目標に、2023年2月までの情報をデータ移行しました。今まで管理に使用していたExcelをmultibookに渡すと、multibookのカスタマーサクセスチームが、中身を読み解いた上でデータを投入してくれました。データの整合性を検証する中で従来の計算と合わない部分が出てきたら調査するのですが、どう合わないのか一緒になって検証してくれるのが助かりました。サポートが丁寧で、操作や理屈を丁寧にオンラインの打ち合わせで何度か説明してくれて、そこは非常にありがたかったです。
この段階で移行元の情報とmultibookに投入した情報の一致が確認できたので、これを期首残としmultibookを正規の帳簿として運用し始めました。その後、1年分のリースの増減の情報を更新し、それ以降Excelでの運用はなくなりました。
決算期作業時間が20時間に半減、さらなる時間短縮も可能
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。
S氏:当初の予定どおり、2024年2月期の決算期にmultibookでIFRS修正仕訳を実施することができました。
―― 現時点でどのような導入効果を実感されていますか。
S氏:リース情報を正しく入力していれば、複雑な計算の必要なIFRS修正仕訳作業はmultibookで行ってくれるため、決算期に約40時間かかっていた作業が約20時間と半減しました。ただ、今後さらなる時間短縮も可能だと思っています。以前のExcel運用時の名残で、年度締めが終わった後に1年分のリース物件の増減や契約更新などの情報を更新しており、決算期の作業にはまだ時間がかかっています。これらの情報を毎月、都度multibookに入力するフローに改善できれば決算期にIFRS修正仕訳にかかる時間はもっと短縮できると思うので、今後そのように変えていければと思っています。
また、計算作業の属人化も解消されました。今は私を含めて2名でIFRS修正仕訳を担当していますが、会計知識があれば誰でもこれを扱えるようになる下地が整いました。新しく担当してもらう人にはIFRS修正仕訳の仕組みを理解した上で、multibookの操作に加わってもらえればと思っています。
―― 2024年10月にシンガポール証券取引所に上場されました。おめでとうございます。この一環で、multibookが何か貢献できた部分はありましたか。
S氏:上場の審査そのものではありませんが、multibookを導入したことで、監査対応業務が楽になりました。シンガポールの監査メンバーや、日本の監査法人に提出するレポートをmultibookから出力できるようになり監査対応時間の短縮と効率化に非常に役立ちました。
―― 今後の展望を伺わせてください。

S氏:まずは、毎月その都度データを入力して決算期の作業時間をさらに短縮するというのが直近の目標です。
また日本では、2024年9月13日に「リースに関する会計基準」、いわゆる新リース会計基準の草案が公開され、ほとんどのリース資産をバランスシート上で認識することが明らかになっています。サブリース事業を展開する当社としては、今後の動向を注視していきたいところです。
[取材に対応いただいた方]
株式会社 Food Innovators Japan ファイナンシャルコントローラー S氏
株式会社 Food Innovators Japan 経理部 主任 K氏
株式会社 Food Innovators Japan 経理部 H氏
お客様概要

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会社名
株式会社Food Innovators Japan
-
事業内容
飲食店経営/飲食店向け店舗物件のサブリース/店舗賃貸物件の仲介/グループ企業の経営全般
- URL https://fijapan.co.jp/
「マネジメントコックピットは経営者の意識変革ツール」世界各国で事業を展開するテラルが海外10拠点の“見える化”にmultibookを採用した理由とは

「水と空気で未来を創る」を企業理念として、人々の暮らしに欠かせないポンプや送風機(ファン)を製造しているテラル株式会社(以下、『テラル』と表記)。日本全国に多くの拠点を持ち、海外にも10拠点以上のグループ会社を展開しています。
今回、海外拠点管理における意思決定を加速させるためにmultibookの見える化サービスであるマネジメントコックピットを導入いただきました。導入を決めた副社長の菅田貴之様に、導入前の課題や導入後の成果について弊社代表の渡部がうかがいました。
本記事のサマリー
・multibook導入の背景:
海外10ヵ国に拠点を有するテラル。近年各拠点とのコミュニケーション頻度が上がり、密にやり取りするようになったからこそ、拠点によって収支管理の質やスピードといったガバナンスの水準にばらつきがあることが明らかに。グローバル展開を加速させるべく、グループ全体の見える化によって財務ガバナンスを強化し、迅速な経営判断を行うためにmultibook導入を決意。
・実感しているmultibook導入の成果:
各拠点の既存のシステムはそのままに、グローバル全拠点の“今”が見えるように!グループ全体が見える化できたことで、本社から各拠点に数字情報に基づく経営状況の確認と業務支援ができるようになり業務の質とスピードが向上。それによって本社でもグローバルを俯瞰したスムーズな経営判断ができるように。今ではmultibookが企業のインフラとして欠かせない存在に。
テラルは国内外問わずさまざまな建築物になくてはならない存在
――はじめに貴社の事業内容や経営理念について教えてください。
菅田:テラルは「水と空気で未来を創る」を企業理念として、暮らしを支えるポンプや送風機(ファン)を製造しています。例えば、高層ビルやマンションで、どの階でも水が使えるようにポンプが使われていますし、焼肉屋さんでは、送風機(ファン)を使って煙を室外に排出しています。このように水と空気の流れを操る流体技術で、皆さんの生活を支えているのが弊社の事業です。

弊社製品は国内のみにとどまらず、海外にも展開しています。ODAの一環で、セネガルなどアフリカ諸国にも太陽電池で駆動するポンプを提供し、現地の水不足解消をサポートしています。
今後は循環型社会の実現に向けて、生活排水を浄水して再活用するための取り組みにも注力していく予定です。例えば、台所にあるディスポーザ(生ごみ処理機)の排水を再活用する仕組みを検討しています。
現地との密なコミュニケーションによってグローバル企業ならではの経営管理課題が明らかに ーー グループ全体の見える化を目指して外貨建残高管理・多言語対応が可能なmultibook導入を決意
――multibook導入前に、貴社が抱えていた課題について教えてください。
菅田:現在、海外拠点の展開は第4フェーズに入っています。1990年にタイで最初の海外現地法人を立ち上げてから、現在まで10拠点以上立ち上げました。2019年末以降、コロナ禍で現地への渡航が制限されたものの、以前より利用していたZoomでのコミュニケーションが活発になりました。その結果、現地を訪問せずとも海外現地とのコミュニケーションが以前よりも密に取れるようになったのです。
ただし、コミュニケーションが密になったものの、各拠点の収支管理が適切にできておらず、拠点ごとに経営状況がバラバラであるという大きな課題に気づきました。つまり、各海外拠点とやり取りを重ねる内に、ガバナンスが効いている拠点とそうでない拠点があることがはっきりしました。拠点によっては少人数で業務を回さなければならず、ガバナンスという観点で見るとクオリティに差が出てしまっていました。
そうした拠点の本当の経営状況を把握できていなかったことに加えて、どのエリアで何が売れているかというような、グローバル全体での経営戦略に影響する重要な情報を、日本本社が把握できていないことに気づきました。そこで、まずはキャッシュベースの管理をきちんと行うことから始めました。ただキャッシュベースを管理するだけでは経営は回らないので、関係会社間の債権債務の状況や借入金の状況、オペレーションが回っているかを管理していく必要があります。そのため、まずはExcelを使って管理を始めました。しかし、海外拠点全ての管理をExcelで実施するには、時間もマンパワーも限界があります。それに加え、各国の言語や税制システムの違いはもちろん、日々変わる為替の問題などもあり、とても大変でした。
そこで、大型ERPの導入も検討しましたが、予算や機能面で折り合いがつかなくて悩んでいたところ、コマーシャルでmultibookのことを知りました。

――multibook導入の決め手は何でしたか。
菅田:まず前提として、我々はERPを探しているわけではありませんでした。国内にも海外拠点にも、既にそれぞれ別のERPを導入していたため、それらのシステムと重複する、あるいは入れ替えることは避けたかったのです。その上で、既存のシステムと並行して見える化の部分だけを補うことができるサービスを探していました。このパズルのピースとして当てはまったのが、多言語かつ外貨に対応しているmultibookでした。我々のように海外に拠点を複数抱える企業では既にERPを導入しているケースも多いので、拠点間の繋ぎとなる細かい部分をサポートするサービスがあるということに感心しました。
渡部:既存の大型ERPパッケージは非常にコストがかかるんです。1拠点あたり500万円〜2,000万円という導入費用となるので、複数拠点に導入する場合は相当な金額になってしまうんですよね。また、国内外の各拠点ではそれぞれローカルシステムを採用しているケースが多いのですが、拠点単位で見ると日々の運用はそれらのシステムで十分に担保できます。ただ、本社からの見える化や、各拠点を横断的に見るといった観点ではローカルシステム単体では対応できません。そこで、コスト面も考慮した、全拠点の経営状況を横断的に見える化できるサービスが必要だろうと考え、マネジメントコックピットを開発したんです。

菅田:日本の企業はこれからどんどん海外進出をしなければならない状況になっています。それにはシステムの外貨対応や多言語対応は必須要件のはずです。
渡部:国内のツールだけでは外貨対応ができていないものが多く、タイバーツ、USドル、日本円などの複数通貨の換算と記録ができません。そうしたシステムを使用すると、例えば仕訳発生都度電卓で外貨換算し、日本円での金額と併せてExcelで管理するというような業務が発生してしまいます。また、過去の推移表を作成したいとなると、当時のレート・今のレートを加味して都度資料を作成する必要が出てきてしまいます。為替に関しても日々変化していますから、業績の向上なのか、為替差による見えかけの利益なのか、見分けがつかなくなってしまいます。こうした経営層の意思決定に必要な情報の収集にまつわる課題を解決すべく、外貨建残高管理・多言語対応含めて可能なサービスを設計・開発したんです。
きめ細やかなサポートで、安心してmultibookの海外全拠点導入を決断
――導入の前後における課題や苦労した点があれば、教えてください。
菅田:今回の焦点はあくまでも本社からのグループ全体の見える化と、それによる経営判断のスピードアップなので、現場の業務の中ではその効果を実感しにくいと思っています。そのため、全ての拠点が協力的なわけではありません。グローバル展開のために必須のプラットフォームだから、申し訳ないけれどもまずはやってくれ、とトップダウンで伝え続けました。グローバル展開を迅速に進めるためには必要なツールであると意識を持ってもらえるように。結果として、管理者の意識改革はうまくできたと思います。
また、導入を決定した後にとても助かったのは、マルチブックの営業ご担当者や導入ご担当者が日本本社と現地の間に立ち、ハブとなって手厚くサポートしてくれたことです。初めからツールの使い方のレクチャーをはじめとするきめ細やかなアフターサービスを実感できたので、安心して全拠点への導入に踏み切れました。
渡部:私たちのようなSaaSビジネスは継続的に使っていただけないと、すぐにお払い箱になってしまいます。そのため、導入後の丁寧なオンボーディング支援や新機能リリース後のご案内や利用方法のご説明には、非常に注力しています。継続的なサポート体制は弊社の強みですね。

企業のインフラとなったmultibookと共に、更なるグローバル展開を目指して
――multibookを導入して良かったことや成果について教えてください。
菅田:(実際の画面を見せながら)データを可視化することの良さは、ぱっと見たときに次の打ち手をすぐに検討できることです。週に1回は必ずチェックし、月一回のミーティングの前情報として、しっかり確認するようにしています。予実管理はもちろんのこと、キャッシュコンバージョンサイクルまでしっかり見通せるのはとても助かっています。
また、入力が完了していない拠点も一目瞭然なので、すぐに連絡を入れてアップデートをかけてもらうようにしています。
渡部:やっぱり経営者の方が実際に使用してくださる様子を見れるのはとてもありがたいですね。(実際の画面を見ながら)
菅田:例えば、ロックダウンのタイミングで、どこの国も業績が下がっているのがグラフから見て取れますよね。そういった業績がぱっと見れるのでとても便利です。
拠点によって重視している指標は違いますので、そこが見られるのもありがたいです。管理できていない拠点に本社から声をかけ、ガバナンスの質も一定になりました。
――multibookを他社におすすめしていただけるとしたら、どのような会社にフィットしそうだと思われますか。
菅田:弊社のように、すでに海外に進出して拠点を複数抱えている企業さんですね。我々が抱えていたような課題は、実際に海外進出してからでないと気づきにくいと思いますので。
渡部:まさにおっしゃる通りで、実際に私たちのお客さまでよくあるのは、海外拠点を展開し、業務・システムの運用は現地に任せていたけれども、それによって様々な問題が発生し、そこで初めて数字をベースにした海外拠点管理の重要性に気づくといったケースです。いざという時に、海外拠点の状況をスピード感を持って把握することができず、どうしようかな……と悩まれる方は多いですね。

――multibookの利用を通して今後実現したいことはなんですか。
菅田:我々が実現したいことは、安全な水と空気を世界中にお届けすることです。そのためにmultibookは欠かせません。multibookをもとに社内の業務ルールを規定しているので、1秒でもつながらなくなるととても困ります。今後もトラブルなく安定供給していただき、さらに定期的に機能改善してもらえると大変ありがたいですし、そんなmultibookを使って我々もさらに発展していきたいです。
ついに全拠点の“今”が見えるようになった!と私自身も、財務のメンバーも私も大変満足しています。
>経営管理にまつわる課題を解決する『マネージメントコックピット』に関する資料ダウンロードはこちらから。
(取材・文/奥川 隼彦)
お客様概要

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会社名
テラル株式会社 TERAL INC.
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事業内容
ポンプ、送風機、給水装置、ろ過装置、生ゴミ処理システム、全熱交換器、防災機器、環境関連機器、その他関連機器の製造・販売、環境関連設備工事
- URL https://www.teral.net/
外資系企業の日本法人会計業務にmultibookを導入し、業務工数を50%削減。期待は、業務改善と新規ビジネス獲得。圧倒的なコストパフォーマンスも評価

[写真左より]
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長 市川 紘也氏、アウトソーシング部 増子 直樹氏、同部 三浦 綾華氏、同部 大屋 卓司氏、同部 柴田 佳祐氏
会計アウトソーシングのパイオニア、株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナルは、日系企業・外資系国内企業の幅広い企業の会計業務を担っています。従来、外資系企業の日本法人の会計アウトソーシングを行う際、使用する会計システムにお客様の指定がないケースでは国産製品を利用してきました。しかし、通貨換算や海外本社向けの英文レポーティングをExcelなど手作業で処理しなければならず、作業が煩雑で、計算ミスのリスクも内在していました。そうした中、multibookの存在を知り、わかりやすい画面、多言語・多通貨対応、豊富な機能に対する圧倒的なコストパフォーマンスを高く評価して採用を決定。導入により経理実務が半分以下の工数で行えるようになり、顧客へ提供できるサービスメニューも大きく広がりました。
導入前の課題
- 外資系企業の日本法人向けの会計アウトソーシングで利用していた国産会計システムは、自動で通貨換算ができずExcelなどを使った手作業が発生していた。作業が煩雑で、ミスが起きるリスクも内在していた。
- 海外本社向けの英語の報告書も会計システムの外部で作成しなければならなかった。
- もともと使用していた国産の会計システムはカバー範囲が財務会計のみであり、管理会計や資金管理などは行えなかった。
multibookを選んだ理由
- 国内外の会計システムの長所を集めて作った印象で、画面が非常にわかりやすかった。
- ERPの概念をくつがえすほど、コストパフォーマンスが高かった。
- 充実した機能により、導入による業務改善だけでなく新規ビジネス獲得が期待できた。
導入後の効果
- 経理実務の作業時間が50%以上削減できた。
- 画面がわかりやすくマニュアルも充実しているため、新人でも先輩に頼らず操作を習得しやすい。
- 充実した機能で、顧客へ提供できるサービスメニューが広がった。
オンサイト経理実務を強みとする会計アウトソーシング企業
――貴社の事業内容を伺いたく存じます。

市川 紘也氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長
市川:サンライズ・アカウンティング・インターナショナルは、会計のアウトソーシングを行う会社です。企業の方々にコア業務へ経営資源を集中していただき、そうすることでより一層競争力と経営の質を高めていただきたい、との思いから1996年に創業しました。当時、会計を専門に担う企業はほとんどなく、当社はパイオニア的存在といえます。これまで200社近くのお客様と取引実績がありますが、約9割のお客様でオンサイト、つまりお客様拠点で経理実務を行っているという点、そして英文会計に強い人材が多いため、外資系企業のお客様が多い点が最大の強みになっています。経理実務はイレギュラーなことがレギュラーに起こる仕事であり、そのようなとき、すぐそばにいれば、フェイス・トゥ・フェイスで会話でき、齟齬なく早く解決できます。加えて、アウトソーシングの際はお客様の会計システムを使って業務を行うことが多いことから、当社には多様な会計システムの経験を持つスタッフがそろっており、どのようなご要望にも応じられるのも大きな特長です。
会計システムの長所を集めたようなmultibookと圧倒的低コストに“一目惚れ”
―― 今回、multibookをご採用いただきましたが、これはどのような背景によるものだったのでしょうか。
市川:当社は、外資系企業から日本法人の会計業務を任されることも多く、その際に企業指定の会計ソフトを使う場合もあれば、使用する会計システムはこちらに一任いただく場合もあります。これまで、一任いただく場合は国産の会計システムを利用していたのですが、通貨換算に関しては、会計ソフトにその機能がないため、Excelなどを用いてシステム外で処理をしていました。たとえば、ある経費を計上するとき、レートいくらで換算するのかをExcelなどで計算して、また、いつのレートを適用したといったことを書きこむ必要があったため、非常に手間がかかっていました。また、海外本社から英文レポーティングが求められる場合もあり、そのときは国産の会計ソフトの外で勘定を組み替えたり英文翻訳をしてこちらで作成する必要がありました。煩雑であっただけでなく、計算ミスなどのリスクも内在していました。
そうした中で、multibookの役員やグループ会社である太陽グラントソントン・アドバイザーズとのつながりから、multibookのデモを見る機会がありました。これまで20を超える国内外の会計システムを見てきましたが、このサービスはそれらの長所をピックアップして作られていて、非常に使いやすくできていると思いました。multibookを使えば、業務改善によって工数削減が実現でき、生まれた時間でさらに日常業務を効率化できると考えたのです。また、私自身が新しいもの好きで、新しいシステムに触れてみたかったというのもあり、現在使用している国産システムから切り替えようと考えました。よい製品でも価格が高ければ導入できませんが、同等の機能を持ったシステムより圧倒的にコストパフォーマンスが高かったという点にも、背中を押されました。
―― 2023年の秋ごろからの移行プロジェクトはどのように進められましたか。

柴田 佳祐氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 フィールドマネージャー
柴田:今回行ったのは、3社分のデータ移行です。1社目はmultibookのカスタマーサポートに伴走してもらい、2社目、3社目は、私と増子の二人で担当しました。multibookのカスタマーサポートは、いつなんどき質問しても対応してくれ、ほんとうに助かりました。また、サービス導入も、会計残高の移行も、すべてExcelベースで行えたため、もともとExcelが得意な私としては、簡単に移行できました。具体的に、要件定義はマルチブック社が用意したExcelの要件定義書に入力するだけでデモ環境を作ってもらえましたし、移行自体も、国産システムからデータをExcelにダウンロードして、それをフォーマット加工してmultibookにアップロードするだけだったので、とてもわかりやすかったです。私はSAPの利用経験が一番長いのですが、multibookはSAPと親和性が高く、理解がスムーズに進みました。
経理実務の作業時間が半分以下に。顧客へのサービスメニュー拡大効果も
―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。

増子 直樹氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー
増子:1社目に関してはすでに利用を開始しており、2社、3社目が移行の最終盤に入りました。2024年9月ごろには本番展開を予定しています。これらのお客様は会計ソフトを当社に一任いただいているため、会計ソフトが変わったこと、変わることを認識しておられないかもしれません。
―― 現時点で、貴社ではどのような導入効果を実感されていますか。
市川:外資系企業の日本法人に関する経理実務の工数は、半分以下になったと思います。通貨換算ではこれまでいろいろ作業が必要でしたが、今はmultibookに100ユーロなら100ユーロと入力すればそれで終わり、あとはmultibookの中で換算できるのでOK、というのは非常に大きいです。
増子:multibookはわかりやすいのがいいですね。正直、市川から会計システムを変えるといわれたときは、「大変なことになったな」と思いました。いろいろな会計システムの経験を持つ私たちですが、それでもシステムを変えるというのは相応の労力がかかるからです。しかし、導入を進めるうちに、これだけわかりやすいシステムなら、新人でもたやすく習得できるなと思うようになりました。会計システムというのはそれぞれクセがあるので、一人前になるまでは、先輩にあれこれわからない点を質問しがちです。これは、先輩にとっては自分の工数を奪われることになります。新人自身も質問することにストレスを感じるので、multibookならマニュアルも分かりやすく、直感的に一人で学べて、早く操作を覚えられるということに、大きな期待を寄せています。
もう一つ重要なのが、multibookが多機能であるため、お客様にお勧めできるメニューが増えるという点です。これまで使用していた国産会計システムは財務会計機能のみを持っていたため、我々が提供できるサービスも財務会計の領域に限っていました。multibookは管理会計や資金管理他、多くの機能を備えているため、これからは、お客様から「管理会計や資金管理も一緒に行いたい」と言われても、難なくお引き受けすることができます。セールスアプローチが広がっていくことをうれしく思っています。

大屋 卓司氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー
大屋:画面を見るだけで、ストレスなく仕事を行えるのがmultibookのいいところです。新しい会計システムを使い始めるときは、我々や社内のエンジニアが何時間も研修するのが常でしたが、このサービスはそういう必要がありません。結果的に、切り替えのコストを低く抑えられるサービスだなと思いました。
三浦:これまでSAPを使ってきたので、似たところのあるmultibookはわかりやすいです。マニュアルもきめ細かく整備されていて、わからなければマニュアルを見ればほとんど解決する点も気に入っています。

三浦 綾華氏/株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部
―― ありがとうございます。今後の展望を伺わせてください。
市川:今後、新規の外資系企業のお客様には、第一にmultibookを勧めたいと考えています。会計システムの選定を一任いただけるお客様はもちろんですが、「会計システムは指定したいが、開設したばかりの法人にそこまでの予算は…」と悩まれているお客様にも、このサービスは最適です。必要な機能はきちんと網羅されていますし、何より、ERPの概念がひっくり返ってしまうほどコストパフォーマンスが高いので、どのような企業にもお勧めできます。しかも、私たちはしっかり業務改善を図ることができます。

将来的には、日本企業の在外子会社のお客様にもmultibookでアプローチしたいですね。コンプライアンス遵守の観点から、在外子会社の経理実務を強化したいというお話はよく伺っており、そこに対して、勤勉で業務を緻密かつ正確に処理できる日本人ならではの特性を生かして、お客様をご支援できるのではないか。必要ならば、経理実務だけでなく、サービスの導入からサポートできるという体制が取れれば、日本企業の皆様の不安解消につながっていくのではないかと考えています。
multibookとコラボレーションすることで、外資系企業の日本法人だけでなく、日系企業の在外子会社の経理業務もサポートできればと考えてます。
[取材に対応いただいた方々]
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル 執行役員 営業本部長 市川 紘也氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー 大屋 卓司氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 マネージャー 増子 直樹氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 フィールドマネージャー 柴田 佳祐氏
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル アウトソーシング部 三浦 綾華氏
[取材]
吉田 育代
[フォトグラファー]
矢野 拓実
お客様概要

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会社名
株式会社サンライズ・アカウンティング・インターナショナル
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事業内容
会計アウトソーシング/コンサルティング/人材派遣(派13-305357)/人材紹介(13-ユ-040513)
- URL https://www.sun-inter.jp/
海外拠点の経費管理を紙から脱却!
multibook導入で4営業日の決算早期化を達成。データの即時把握でリスク防止や収益改善も。
水と環境のコンサルタント 株式会社NJSでは、これまで海外拠点に関して経費管理を紙ベースで行ってきました。その事が原因で経理部では毎月月次決算締めに時間を要していました。これでは現地の状況把握が後手に回ってしまい決算締めが遅れてしまうことから、海外拠点管理の強化策としてクラウド型会計・ERPのmultibookを導入しました。手軽さと低コストの観点から他に同様のERPはないと確信できたのが当システム選択の理由です。導入により4営業日の決算早期化が実現。また本社から海外各地で展開されているプロジェクト経費をリアルタイムで確認出来ることにより、リスク回避や収益改善のために迅速なアクションを取れる体制が整いました。今回は、株式会社NJS 管理本部 経理部 課長 成瀬 良訓氏にmultibook導入前の課題や導入に至る経緯について、詳しいお話を伺いました。

導入前の課題
- 海外プロジェクトから経費伝票を郵送で受け取り、日本本社でERPに手入力していたため月次決算に11営業日かかっていた。
- 決算の遅れはそのまま現地の状況把握の遅れに直結するため、経営層が海外拠点管理の強化を望んでいた。
- 海外拠点での経費がどのような経緯で発生したのか、リアルタイムで把握できる仕組みがなかった。
multibookを選んだ理由
- 手軽さと低コストという点で、このようなERPは他に存在しないと容易に確信できた。
- これまでのERPの常識を打ち破り、簡単に始めることができ、テンプレートで新しい国への展開と撤退がフレキシブルにできるクラウドの良さ。
- マスター設定やデータ移行などが容易で、本稼働まで3カ月未満というスピード導入が期待できた。
- 従来SIerやコンサルに頼り、高額且つ導入に長期間要するのが定石のERP導入だが、クラウド利用のmultibookは各国要件に対応したテンプレートを持ち、誰でも簡単に導入できるグローバルERPという点。
導入後の効果
- 11営業日かかっていた月次決算が、7営業日へと4日も短縮。決算早期化が実現した。
- 決算早期化と工数削減により、本社経理担当者が別の決算業務を手伝えるようになった。
- 現地の経費発生を日本本社がリアルタイムに捕捉してすぐにアクションを起こせるようになったため、リスク回避や収益の改善につながった。
水と環境のコンサルティング業務をグローバルでトータルに提供
―― 貴社のビジネスをご紹介ください。
当社は、水と環境に関するコンサルティングサービスを提供しています。主力事業は水インフラに関するコンサルティングサービスで、水インフラのライフサイクル全般、企画立案から施工、維持管理、老朽化すれば改築までをトータルサービスとして手がけています。2021年に当社は創業70周年を迎え、「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」というパーパスを策定しました。脱炭素経営が提唱されていることからもわかるように、今、地球的に大きな転換期にあります。そうした中で今まで当社が培ってきたノウハウを次世代につないでいくことで、持続可能な世界をめざそうという活動に注力しています。お客様は国内海外ともに主に国や地方公共団体、民間企業のお客様もおり多岐にわたります。
紙伝票のやりとりのため月次決算に時間がかかり海外拠点の管理に課題
―― multibookを導入以前はどのような課題に直面していたのでしょうか。
当社は海外のさまざまな場所でプロジェクトを展開しています。月次決算のために現地から経費伝票を郵送で月2回、月の半ばと月末に本社へ送ってもらい、伝票に書かれた内容を担当者が“読解”して、日本本社のERPに入力するということを行っていました。海外からの郵送で時間がかかりますし、現地の言語で作成された伝票の読解作業にも時間を要するため、なかなか月次決算が締まらず、翌月11日ぐらいになってしまうという課題がありました。現地から紙の伝票が送付され、翻訳して初めて詳細な経費の発生状況を把握(言語は多数あり)、フォローが必要な状況であってもメールで都度現地へ確認作業を行なっていたため「現状では現地の状況把握に遅れが出る、迅速な経営判断をする上でも海外拠点の管理を強化すべきだ」と経営層から指示があり、2019年頃海外拠点で使えるERPを探し始めました。

―― multibookを知ったきっかけを教えてください。
実は当時ある連結会計ソフトを入れようとしていたんです。しかし、経営層から海外強化の指示が出たため、急遽このソフトウェア会社に相談したところ、multibookの名前が出てきました。その後、2019年4月にマルチブック社からプレゼンテーションを受けて、「まさにこれだと!」即決しました。
他社との比較検討はしていません。これ以上手軽で安価なERPは他にはないと思い、話を聞き軽く操作させてもらったあと即決しました。これまでのイメージである高額・導入に長期間を要する大型プロジェクトといったERPの常識を覆すクラウドサービスであるということが後押ししました。
その年の5月にはマスタ設定・データ移行など導入作業をスタートし6月には稼働開始という異例のスピードで使用を開始しました。最初にインドを導入したかったのですが税制や会計が複雑なため、まずは規模がそこそこで伝票量の多いアラブ首長国連邦、バングラデシュ、スリランカの3ヵ国に導入しました。
―― 導入時に何か苦労したことや工夫したことはありますか。
ほとんど苦労はなかった印象ですね。マルチブックのカスタマーサクセス担当の方がマスタ設定から残高移行までやり方を丁寧に教えてくれたので、教えてもらった通りの対応をすれば利用開始まで辿り着けました。当社にも英語を話せる社員は多いのですが、マルチブック社に現地との英語対応を直接引き受けてもらえたので大変助かりました。
実は私自身、後からmultibook導入プロジェクトに合流したのですが、簡単な引継ぎメモとmultibookの画面を見ただけで直感的に「これは簡単に使える」と思えました。前職で使っていた大型ERPが複雑で難解だったので、ERPに対してとにかく大変なシステムイメージを抱いていましたが、multibookはマスタ設定や操作も比較的簡単なため、一定の経理知識があればすぐに使える状態になりました。

月次決算が4営業日早期化し、リスク防止と収益改善効果も
―― 現状、どのように活用していますか。
現在、アラブ首長国連邦、バングラデシュ、スリランカの3ヵ国では、現地スタッフにすべての伝票をmultibookへ入力してもらい、現地の日本人スタッフが月末に一次承認を行います。本社側でこれをもう一度チェックし二次承認を行い、為替レートマスタを使って日本円に換算した上で、メインの会計システムに取り込んでいます。
3ヵ国以外のmultibookをまだ導入していない海外プロジェクトに関しては国の数で言えば12ヵ国ほどあり、すべての伝票をPDFで本社へメール送付してもらい、日本の経理担当者がmultibookに入力する形を取っています。
また、直近では社内でのmultibook使用の需要が高まったことからライセンスを追加購入し他部署でもmultibookにアクセスできるようにしました。これも海外プロジェクトの管理強化の一環です。海外では日本では起きないような出来事が突如起こったり、それが原因で一気に収益を悪化させることもあります。そのため現地で伝票入力された内容を本社で逐一モニタリングし、すぐにアクションを取れる体制を構築したいと考えました。立ち上がっては業務終了とともに解散を繰り返す海外プロジェクトの性質に、導入の過程とシステムのシンプルさがマッチしたというのもライセンス追加購入の理由の一つです。
―― 現時点で実感している導入効果を教えてください。
導入効果はたくさんあります。
一番大きい効果は決算早期化を達成出来たことです。今では海外拠点も含めて翌月の7営業日で締めることが出来ています。以前に比べると4営業日も決算締めを短縮することができるようになった上、日本から海外プロジェクトのモニタリングも強化することができました。これらの効果もありmultibook導入に対して経営層からも高い評価を得ています。相乗効果として決算早期化による工数削減が他に及ぼす影響も大きいです。今まで海外伝票処理に多くの時間を費やしていた担当者の手が空いたことで、他の国内業務や決算業務を手伝う事が出来るようになりました。
またリスク防止、収益改善にもつながっています。弊社には海外管理部門としてグローバル本部という部署ががあるのですが、その部署でmultibookを使用し各拠点の状況をモニタリングすることで不正に対する牽制や不明経費の見える化に繋がっています。
現地目線で言うと現地に駐在する日本人スタッフからは、multibookを運用することで資金繰りや予算作成にあたり必要な情報を細かく分析でき、本社との情報共有もスムーズになったと好評いただいております。多言語多通貨にも対応しているので、現地のローカルスタッフもすぐにオペレーションに慣れたと聞いています。 マルチブック社のサポートにも満足しています。問い合わせに対するレスポンスが非常に早いため、システムの不具合やマスタ設定の不備などで決算が遅延した事は今のところありません。

―― 今後についてはどうお考えですか。
もともと構想していたインドプロジェクトへのmultibook導入を進めたいと思っています。弊社はインドのプロジェクトの他にインドに子会社も持っています。行く先は子会社導入も考えております。
また本社会計ソフトとmultibookとの連携もスマート化させたいですね。現在はmultibookの一部の機能しか使用していないので今後は更に使いこんでいきたいと考えております。multibookの機能は想像以上に多彩で、財務諸表から固定資産・在庫・ロジスティック管理までERPの機能を多数盛り込んであるので、使用する範囲を広げて更なる海外プロジェクト管理に活用していきたいと考えています。各関係部署、経営層などもmultibookを活用しリアルタイムにプロジェクトの状況を把握できるような体制を作り上げるのが理想ですね。
今までERP導入は「本社と同じものを海外拠点に導入し標準化を図る」という発想がベースにありました。前職ではまさに全世界のシステム標準化を経験しましたが導入に至る過程は過酷で、特に海外拠点では大混乱に陥った記憶があります。本社では管理面で一定のメリットがあるものの、拠点側ではシステム入れ替え作業で疲弊し、業務フローが大幅に変わることで必要なデータを抽出出来ないなど、標準化がもたらすインパクトはメリットデメリットともに大きなものがあります。標準化がすべて正しいとは考えず、今では拠点には規模に見合ったシンプルなERPを導入し、本社のERPシステムと「どうつなぐか」に重きを置き運用していくことが重要だと考えています。
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[取材に対応いただいた方]
株式会社 NJS 管理本部 経理部 課長 成瀬 良訓氏
[取材・文]
吉田 育代
お客様概要

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会社名
株式会社NJS
-
事業内容
・上下水道等のインフラに関するコンサルティング、調査・設計・施工管理・経営コンサルティング、環境計画・環境アセスメント・防災減災対策 等
・上下水道等の事業運営に関するサポート業務、住民サービス・財務会計処理・総合施設管理、企業会計移行・官民連携サービス・経営改善支援 等
・海外コンサルティング事業 - URL https://www.njs.co.jp/
「IPOに向けた経営体制変革の土台作りに欠かせない」世界シェア上位の製造業企業がマネジメントコックピットを採用した理由

マシンビジョンレンズとよばれる産業用の光学レンズの製造・販売を行っている株式会社ヴイ・エス・テクノロジー。東南アジア・ヨーロッパ・北中米と幅広いエリアに海外拠点を展開し、マシンビジョンレンズの本数で世界シェアは10%強を占め、世界トップクラスです。
オーナー経営から継続的な事業成長を遂げるため、上場を決意したタイミングでマルチブックの見える化プラン・マネジメントコックピット導入をご依頼いただきました。今回は同社で導入の意思決定をした依田様と加藤様に、マルチブックの率直なご感想や導入経緯などについてうかがいました。
本記事のサマリー
・multibook導入の背景:
2025年末のIPOを目指す株式会社ヴイ・エス・テクノロジー。
これまではスピーディーな事業展開を優先し、部分最適で経営を行ってきた同社。IPO準備を機に、各海外拠点で異なる会計システムを利用していることや、現地との言葉の壁、拠点によっては会計専任の担当者がいないケースもあり、ひいてはそれらが決算早期化や内部統制強化を阻害しているため、その状況の改善に着手。
IPOが求めるクリアでスピーディーな経営体制の土台を作るべく、multibookの見える化プラン・マネジメントコックピット導入を決意。
スピーディーな事業展開を優先した部分最適からの脱却
――貴社の事業内容や海外展開について教えてください。
依田:当社は「マシンビジョンレンズ」とよばれる産業用の光学レンズの製造・販売を行っています。半導体や電子部品の生産装置などに組み込まれている、お客さまの目となるような製品ですね。レンズの製造を軸として、照明や検査装置等の光学・画像処理のソリューションをはじめ、1,000種類以上の製品を世界中で展開しています。マシンビジョンレンズの業界では、出荷本数を基準として世界シェア10%強と業界トップのシェアを誇っています。

1997年の創業時から25年かけて世界の市場を開拓してきました。支社はアジア、北中米、欧州など23の拠点を展開しています。連結売上高は80億(2022年計画)を見込んでおり、2024年には連結売上高を100億超にすることを目指しています。
――multibook採用前に、貴社が抱えていた課題について教えてください
依田:今までは創業者が自ら事業を牽引していく、いわゆるオーナー経営のスタイルでした。しかし、創業から20年を迎え事業承継の必要性を感じた創業者は、今後100年以上続く企業を目指したいという思いから、2025年末を目処にIPOするという目標を設定したのです。
それに伴い、社内でも急ピッチで組織再編がなされ、1年前からようやく経理財務部というIPOに向けた土台作りをする部署が立ち上がりました。というのも、今まではスピーディーな事業展開が最優先だったため、社内での部分最適が進みすぎてしまい、ガバナンスが弱い状態だったんです。また、当初は経理や財務といった管理部門も社長室に付属している秘書室のような状態で臨機応変に様々な業務をこなしていました。また、一部の業務は外部のパートナーにお願いしており、例えば会計業務は基本的には会計事務所さんにアウトソースし、その結果を弊社側で確認するという典型的な中小企業の業務体系になっていました。
会計部門のアウトソーシングに関しては海外拠点も同様な状況です。拠点によっては会計知識やスキルを持った担当者がいないケースもあり、会計事務所さんにほぼお任せ状態になっており、経理財務の体制が整っていない場合も多々あります。

こうして2025年末目標でIPOに向けて動き出したわけですが、連結会計の強化やグループ全体のガバナンス強化を進める中で、海外拠点の情報をリアルタイムで収集・集約・分析をして経営陣へ報告できる体制を作らなくてはいけないという課題に直面し、解決策の情報収集を始めました。
また、内部統制面でも課題がありました。オーナー経営という性質上、これまではある程度のポジションのものが社長に1本電話をすれば社長の独断でその後の方針が決まってしまうようなことが多々ありました。ただ、上場するとなると、規定を整備した上でその承認フローに沿って稟議を進めていく必要があります。IPOに向けてはそうした業務フローの構築をはじめとする仕組みづくりが求められますので、今まで認識してはいたものの、実現に至っていなかった部分にも手を入れていく必要があると実感しているところです。
――multibook導入以前、海外拠点は地域や国でバラバラのシステムをお使いのようでしたが、それによってどのような問題があるのでしょうか?また、そのような状況で海外拠点の業績把握はどのような方法で実施されていたのでしょうか?
依田:お恥ずかしい話ではありますが、各海外拠点とのコミュニケーションにまだまだ課題があります。お互いコミュニケーションを取るのに十分な英語力がないこともさることながら、現地に会計を理解している専任の担当者がいないことで、正しい数値をしっかりと集約できているかの確認に時間がかかっていました。

加藤:実際の業務の流れとしては、毎月各拠点のシステムで作成した財務諸表(試算表)を収集し本社でExcelを使ってその情報を集約します。さらに四半期毎にExcelベースの連結パッケージを使用してグループ全体のフル連結を実施しています。各拠点で異なるシステムを使用しているため、例えば勘定科目の紐付けなどはデータ集約後にExcelを使って手作業で実施していますが、作業が煩雑になり精度やスピードに課題があると感じています。
また、各拠点から提出してもらった財務諸表で数字がおかしい部分があっても、各拠点のシステムやその入力方法を日本本社で理解していないため、内容の把握や適切な指示ができず修正までに時間がかかってしまうケースも多々ありました。こうしたコミュニケーションを取ることは、各拠点との時差の影響もあり、かなり時間がかかっていました。ひとつの数値について質問をして回答をもらうだけでも、半日〜1日ぐらい時間が空くこともありました。
依田:そのような課題があり、海外拠点も含めたグループ全体の数値の集約に活用できそうなmultibookのマネジメントコックピットの導入を検討しはじめました。
IPOが求める経営体制の土台づくりーーグローバル全体の見える化と「数値を語る」風土
――IPO実現において経営管理業務観点、経理業務観点では何を重視されていたのでしょうか。
依田:まず経営・ガバナンスの観点では海外全拠点の状況を数値でリアルタイムに把握できるようにすることです。加えて、その数字をチェック、承認するルールや仕組みの整備も必要になると考えています。また、経理業務観点ではグループ全体での会計基準の統一、各個社の決算業務及び連結決算業務の精度向上とスピードアップを重視しています。
今回のmultibook見える化プランの導入によって、スピーディーな現状把握とそれらの情報に基づいた円滑なコミュニケーションが実現できることを期待しています。同じ画面を見ながらであれば、外国語によるコミュニケーションであっても共通認識をもちやすくスムーズに各拠点の状況を把握できるのではと期待しています。
――IPOを実現する上で「数値を語る風土を作りたい」と伺いましたが、もう少し詳しくお聞かせください。

依田:今まではオーナー経営だったため、最終的な意思決定はトップダウンで決めてもらうという場面が多かったのです。その為、メンバー層は業績自体に意識を向けられていないという現状がありました。しかし、その体制では事業存続が難しい。今回のIPO準備を機に、各メンバーが経営陣のビジョンを認識し、全社員が同じ方向を向いて自分達で考えて行動できる組織にしようという動きが始まりました。その中で、「数値を語る文化」を取り入れていくことにしました。数値を語ることで、各メンバーが納得感を持って能動的に行動できるようになると考えたからです。
上場するということはこれまでの内部のステークホルダーだけではなく外部の投資家様をはじめとし、社会から投資をする価値があると認知される企業になる必要があります。つまり、これまで以上に企業価値の向上が求められるのです。その期待に応えるためには、決算の数字をはじめとした経営状況や、その分析に基づく今後のビジョンを早期に開示することが必須だと考えています。
スタッフ層には一人一人が数字に意識を向けてこだわってもらえるよう、積極的に声をかけて「数値を語る文化」の醸成を進めているところです。
まずは短期導入・低コストのmultibookで見える化・決算早期化に向けてスモールスタート
――multibookを知ったきっかけ、採用の決め手について聞かせてください。
依田:以前在籍していた上場企業では、大規模ERPを導入していました。しかし費用がかなりかかる一方で、運用も楽ではありませんでした。IPOのためのコストが諸々発生する中で、大規模なシステムに予算を投下する余裕はありません。海外の現地法人では既に別の会計システムが動いていることもあり、まずは国内外の数値をすべて集約できるサービスがないか検討したところ、会計の顧問先からmultibookを紹介してもらいました。
多言語多通貨対応ができる点、大型ERPパッケージと比較して導入費用やランニングコストがリーズナブルである点、そして当社と似た規模の企業様への導入実績などを拝見し、最終的に採用を決定しました。マネジメントコックピットは、今までExcelベースで行っていた集計作業から解放されるため、業務の効率化はもちろんのこと、情報の可視化、分析・改善施策の具体化など、スピーディーな状況判断にうってつけのサービスと考えています。
最終的には各拠点へmultibookの会計機能導入も検討していきたいと考えていますが、まずは見える化機能を利用して各拠点から本社に仕訳連携を行い、本社ではマネジメントコックピットでリアルタイムに各拠点の状況を把握しながら運用改善をかけていきたいと思います。
――multibookを他社におすすめしていただけるとしたら、どのような会社にフィットしそうだと思われますか。
依田:海外展開を積極的に行っている会社にはおすすめできるのではないでしょうか。また、経理財務部門の体制がまだ整っていない或いは社内にリソースがないという企業にはマネジメントコックピットを利用して少ない負荷で見える化を実現できるといった点でおすすめできます。多言語多通貨の対応ができているサービスでなおかつ導入コストが低くスモールスタートができるため、規模問わずmultibookを活用できるのではないでしょうか。
――今後multibookを利用して実現したいこと、マルチブックに期待することについて教えてください。

依田:IPOに向けてまずは見える化機能で各拠点の会計情報を本社でしっかりと把握し、スピーディーに数値に関するやりとりをしていきたいですね。日本本社としてはマネジメントコックピットをフル活用し数字を共通言語としてコミュニケーションできる体制を作っていきたいです。 更にマネジメントコックピットによる運用がグループ全社でしっかり軌道に乗ったら、全拠点に会計システムとしてmultibookを導入して、本社側でもリアルタイムで各海外拠点の会計情報を把握しながら、内部統制の強化にも役立てていきたいです。

加藤:上場すると正確な連結決算報告を45日以内に開示しなければなりません。しかもその数値は当然正確さが求められます。現状各拠点の個別決算が終わってから連結の数字を出すまでに1ヶ月ほどかかってしまっていますが、普段からマネジメントコックピットを通して日本本社が能動的に各拠点の数字を把握することで、拠点と協力しながら数字の管理精度を上げて、それによって連結決算早期化を実現したいと考えています。
依田:上場までの期間を考えるとかなりタイトなスケジュールではありますが、まずはマネジメントコックピットを活用してIPOに向けた体制構築を行うことが目標なので、引き続き全拠点導入への手厚いサポートをよろしくお願いします。
>海外拠点管理を強力にサポートする『マネジメントコックピット』に関する資料ダウンロードはこちらから。
(取材・文/奥川 隼彦)
お客様概要

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会社名
株式会社ヴイ・エス・テクノロジー
-
事業内容
光学レンズ、光学部品、照明装置の開発、設計、製造
- URL https://vst.co.jp/
Excel一括アップロード機能が最大の決め手。タイ拠点の導入で決算早期化・業務の透明化を実現した、海外展開に挑戦し続ける老舗外食チェーンのmultibook導入事例
1966年、福岡に第1号店レストラン「WEST」をオープンして以来、地元の人々に親しまれ、うどんや焼肉、中華料理、和食、カフェ、複数の店舗を集めた「味の街」などさまざまな飲食業態を展開してきた株式会社ウエスト。海外にも早くから進出し、アメリカや東南アジアで店舗展開しています。
そんな同社ではタイ拠点の会計管理のために2016年より、multibookの導入をスタート。今回は同社経理部・総務部の緒方様に、multibookへの率直なご感想や、導入後の成果などについてうかがいました。


写真:生そばあずま バンコク ソイ 33/1 店
本記事のサマリ
・multibook導入の背景
海外展開が進む中、Excelでまかなっていた現地の会計処理では入力ミス、情報の不整合、月次決算の大幅な遅延が発生し、手作業での管理に限界を感じて会計システム導入を決断。 多言語対応、リアルタイムの見える化、Excel一括アップロード機能、カスタマイズ可能なPLなど、業務・システム要件を満たすmultibookに出会い、導入を決意。
・実感しているmultibook導入の効果
決算早期化を実現できたことが最も大きな成果。
元々1ヶ月ほどかかっていた月次決算だが、翌月10日までには完了できるように。リアルタイムで拠点の状況を把握できることから業務の透明化も併せて実現。更に、Excelアップロード機能により業務が大幅に効率化され、現地のタイ人経理スタッフが一人で7拠点の会計処理に対応できる体制の構築に成功。
「不備が多く、スピードが遅い」海外の管理体制を変えたい
――貴社の事業内容や海外展開について教えてください。
ウエストは、うどん・焼肉・中華料理・和食・カフェなどの飲食業を展開している会社です。現在、九州と関東を中心に178店舗を運営しています。
海外展開としては、アメリカに進出してもう40年になります。ニューヨークを中心にニュージャージー、ロサンゼルス、テキサスに進出し、20店舗を展開。2015年12月には東南アジアに初上陸し、タイのバンコクに「生そば あずま」をオープンしました。 3年後には生そば店4店舗、うどん店・焼き肉店・中華料理店各1店舗の計7店舗体制に。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、現在は、生そば店2店舗にまで縮小しています。この2店舗も、昨年6月から一時休業していたのですが、ようやくコロナも少し落ちついてきたことから、今年の4月に営業を再開した次第です。
――貴社では2016年11月からタイ拠点にmultibookを導入されています。multibook導入前の状況や課題について教えてください。
タイでは外資独資で会社を設立することが認められていません。そのため、タイ拠点は現地のパートナー企業との合弁会社となっています。
経理を中心とした会計処理は、現地のパートナー企業に任せている状況。パートナー企業では、極力コストをおさえたいということで、Excelで管理をしていたんです。 店舗数が1~2店のときは、それでも良かったのですが、3店舗、4店舗と増えていくと収拾がつかなくなり、会計システムを導入しようという話になりました。
――multibook導入前は、Excelで管理されていたんですね。
はい。Excelのみで管理していたため間違いも多くなりますし、整合性がとれないなど、いろいろな課題が噴出していました。なによりスピードが遅く、当時は、月次の決算をするのに大体1カ月ほどかかってしまっていたんです。前月の決算が翌月の末にようやく出てくるという状況でした。
タイムリーに損益状況を見て、営業戦略に反映させられていなかった。今後さらに店舗が増えていけば、会計処理にもっと時間がかかり、混乱を極めるだろうと予測できました。 そこでタイに進出するときにもお世話になった当社のメイン銀行から紹介を受けて、multibookの導入を決めたんです。

「多言語対応」「Excelファイルでの一括アップロード」「PL形式のカスタマイズ」機能が決め手に
――multibook導入時、他サービスと比較検討はされたのでしょうか。
タイには現地企業がよく使用しているローカルの会計ソフトがあるんです。そのソフトなら、経理を担当するタイ人スタッフが使い慣れていると聞き、multibook導入前に比較検討しました。
ただ、このローカルの会計ソフトが、私たちにとっては使い勝手が悪かったんです。一方、multibookのデモを使用させてもらうと、必要な機能が揃っていた。これなら、私たちの想定通りの会計処理ができるだろうと感じました。
――「必要な機能が揃っている」ことがmultibook導入の決め手だったんですね。
そうです。具体的には「多言語に対応している」こと。日本語でも、英語でも、現地のタイ語でも見られ、言葉の壁がない状態で事務作業ができる点はメリットでした。
2つ目はクラウド上のシステムのため、いつでもこちらからアクセスできること。「リアルタイム」で進捗状況を確認できることが魅力でした。
3つ目は「Excelファイルで会計情報をアップロードできる」こと。実は、これが非常に大きな決め手になりました。少ない人数で効率的に事務作業を進めていくために必須の機能でしたが、比較検討した会計ソフトにはこの機能がなかったと記憶しています。
最後は「PL形式のカスタマイズ」が簡単にできること。タイと日本ではPLの形式が異なります。日本では営業利益と経常利益を分けて考えますが、タイの場合は、もっとシンプルなんです。multibookでは簡単にPL形式をカスタマイズでき、日本仕様にできる。店舗ごとの損益管理も極めて簡単にでき、私たちのニーズにすべて合致していたんです。
――multibook導入前に不安なことはありましたか。
ほとんどありませんでしたが、あえて挙げるとすると、クラウド利用が初めてでしたので、その不安はありました。日本やタイで利用するにあたって通信速度や安定性が実際にはどうなのかと。ただ、使用し始めて、まったく問題がないとわかりました。 反対に「こんなに便利だったんだ」と驚いたほどです。実は、ウエスト本社の会計処理においても、一部ではありますが、クラウドに切り替えました。そのくらい利便性の良さを感じています。
「決算早期化」や「業務の透明化」を実現できた
――multibookを導入して良かったことや成果について教えてください。
決算早期化を実現できたことが、最も大きな成果です。以前とは比較にならないほどの早さでタイ拠点の数字が固まるため、月次決算に要する時間を大幅に短縮できています。
なぜ決算早期化ができているのか。その理由はさまざまな場面で事務処理のスピードが劇的に上がっていることが要因です。
まず、多言語対応している点。multibook利用前は、現地スタッフと日本語でやり取りをしていました。私たちはタイ語を話せないので、日本語とタイ語の早見表をつくって、手探りで対応していたんです。今は、簡単に翻訳できるサービスがありますが、タイ語って、実はとても翻訳が難しいんですね。multibook導入後は、自動翻訳機能によってお互いに言葉を変換する手間がなくなりましたし、ミスや勘違いも減りました。
進捗を「リアルタイム」でチェックできるのも大きなメリットです。以前は、1カ月待たなければ情報がきませんでしたが、現在はリアルタイムでチェックできます。当然ながら、これは業務の「透明化」にもつながっています。 また、Excelファイルで会計情報をアップロードできる機能があるおかげで、大幅な効率アップが図れています。タイは、最も多いときで7店舗を運営していたのですが、現地の経理スタッフは1人ですべてこなせていたんです。店舗から共有された情報を簡単にExcelに変換できるようにし、それをどんどんアップロードして勘定処理を行っていく。本来、7店舗もあれば、複数名の現地スタッフを雇用しなければならないところを、1人で対応できていたのはmultibookを導入したからこそです。
――現地スタッフの反応はいかがですか。
とても便利だと聞いています。先ほどお話した通り、タイ特有のローカル会計ソフトを使い慣れている方なのですが、multibookは格段に便利だし、簡単で、見やすく、手間がかからないと非常に高評価です。「multibookがなかったら、自分一人で多店舗の経理はできなかった」と現地スタッフも話していました。
multibookは、最小規模での管理部門運営に欠かせない存在

――コロナ禍で昨年6月から店舗を休業され、今年4月から再開されました。このように事業環境が変化する中で、multibookが果たした役割は何かありましたでしょうか。
そうですね。一時休業を経て店舗を再開したときに、従来どおりにスムーズに、負荷なく会計処理できた点は良かったと思います。また、マルチブックの担当の方には、いろいろとご相談させていただき、柔軟に対応いただきました。私たちとしても心強かったですし、感謝しています。
――担当者とのコミュニケーションについては、どのような感想をお持ちですか。
まず、マルチブックのご担当者の方が、導入前に、福岡の私たちのオフィスまで足を運んでくださったんですよね。クラウドサービスの会社なのに、わざわざ来てくださるんだと驚きました(笑)。
デモ画面を見せながら操作方法を教えてくださって、その対面でのやり取りを通じて、マルチブックという会社を身近に感じましたし、信頼してお付き合いできるなと思いました。その後も、何でも気軽に相談できますし、丁寧に対応してくださっていると感じます。
――multibookを他社におすすめしていただけるとしたら、どのような会社にフィットしそうだと思われますか。
税制にもきちんと対応されていますし、企業規模問わず、どの業種・業態の企業にもお勧めできると思います。とくに当社のように多店舗展開をしていたり、複数の部門や事業を運営されている企業には、部門別の損益管理がしっかりとできることは利点ではないでしょうか。
海外拠点の管理部門はできるだけコストをおさえたいという企業が多いと思います。私たちにとってmultibookは、最小規模で管理部門を運営するために欠かせない存在です。
――最後に、今後の展開について教えてください。

おかげさまで、バンコクの2店舗は、良いリスタートを切れています。まずは2店舗の基盤を固めることが最優先です。既存店が軌道に乗ってきたら、また少しずつバンコクでの店舗数を増やしていきたいと考えています。
コロナ禍になり海外店舗をすべて撤退すべきかどうか、正直、我々も悩みました。アメリカに進出して40年。福岡の中小企業のうどん屋さんが海外に進出して、ニューヨークで40年やり続けるというのは経営者のロマンでもありますし、従業員にとっても誇りというか、励みになるものなんです。アメリカのみならず、東南アジア進出も、私たちの夢でした。
一度撤退してしまえば、せっかくバンコクの土地に定着した灯を消すことになってしまいます。もちろん再チャレンジすることもできますが、一度撤退してからの再チャレンジはコスト的にもハードルが高くなります。休業はつらいけれども、2年は踏ん張ってみようと話している中で、お店を再開でき、ありがたいことに連日、賑わいを取り戻しています。この灯を守っていけるように、これからも事業を継続していきます。ぜひマルチブックにも、私たちのチャレンジを引き続き、ご支援いただきたいです。
(取材・文/猪俣 奈央子)
お客様概要

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会社名
株式会社ウエスト
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事業内容
焼肉・うどん・中国料理・和食各種・カフェの店舗展開
- URL https://www.shop-west.jp/
自社で導入を行う「セルフインプリメント」方式を選び、わずか2週間でスムーズなグローバル会計システム導入に成功!

国際会計・税務、クロスボーダーM&A、フォレンジックなどのサービスを支援しているItseki(イッセキ)。国際専門家ネットワークであるGeneva Group International (GGI)にも加盟しており、世界120カ国に提携事務所を有している、公認会計士・税理士によるプロフェッショナル・ファームです。
同社では2023年、イタリアに本社を構える製薬会社の経理支援、税務顧問サービスをスタート。その際の会計システムとして選んでいただいたのがmultibookです。今回は同社のManaging Partnerで、公認会計士・税理士の須﨑要暁氏に、multibook導入に至った経緯や導入時の工夫、multibookの率直なご感想などを伺いました。
導入前の課題
- 前任の会計事務所が使用していたシステムは英語対応のみ、海外パッケージのため通貨は日本円から海外本社の基軸通貨に換算が必要、日本の消費税対応には別途設定が必要でミスが起きやすく、手間がかかっていた。
- 前任の会計事務所との契約が切れるまで1カ月の猶予しかなく、2〜3週間程で新システムに切り替える必要があった。
multibookを選んだ理由
- 多言語・多通貨対応しており、日本のビジネス事情 も汲んだ会計システムで利便性の良さを感じた。
- コストパフォーマンスが良かった。
- SAPのユーザーインターフェースに似ており、感覚的に使いやすく、海外本社のメンバーの閲覧にも支障がないと思われた。
導入後の効果
- Slackでの細かなやりとりを通してマルチブックのサポートを受けながら自社で導入を行い、約2週間でスムーズにシステム導入を完了できた。
- 一般的な日本の会計システムに仕訳を起票する感覚での経理サポート業務が可能に。
- イタリア本国へのレポーティングも柔軟性高く行え、業務負荷の軽減に繋がっている。
外資企業の経理をサポートするため
多言語対応の会計システムを探していた
―― 貴社の事業内容や強みについて教えてください。
Itseki(イッセキ)は、公認会計士・税理士によるプロフェッショナル・ファームです。
国際サービスを強みとしており、外資企業の日本での経理・税務サポートや、日本企業の海外子会社の経理・税務サポート等を行っています。また、日本の法人や個人が海外で不動産投資等を行った場合に必要な海外での申告サポートや、クロスボーダーのM&A支援等もよく手がけております。
日本語と英語双方でのコミュニケーションをストレスなく行えること、そして数多くの外資系企業を担当してきた経験から、国際サービスで発生しやすい課題をあらかじめ予測しながら対応できる点をご評価いただいています。

―― multibookを導入するに至った経緯を教えていただけますか。
イタリアに本社を構える製薬会社の日本法人の経理サポートを行うことになったのがきっかけです。
その製薬会社は設立間もない会社で、当初は、私たちとは異なるグローバルBPOファームに経理を任せていました。
前任の会社が使用していたのは海外のクラウド会計システムでした。そのため、英語でしかアクセスできず、消費税をはじめ日本ならではの経理要件に対応しきれていなかったんです。また、通貨換算なども必要になり日本のメンバーにとっては、とても使いにくいシステムだったんですね。
そこで当社が経理支援と税務顧問サービスを提供することになったタイミングで、会計システムを変更したいという依頼がありました。そのような経緯から、当社のほうで多言語・多通貨対応が可能な会計システムを探し、multibookを知ったというわけです。
―― multibook導入の決め手は何でしたか?

まず当然ながら、多言語対応していることが重要でした。英語に対応している日本の会計システムをいくつか検討しましたが、あくまでも日本語の会計システムのメニューバー等が英訳されている程度で、クライアントのニーズを完全に満たすものではありませんでした。
一方で、multibookは、どの言語でも同じように使用でき、グローバル企業では当たり前に発生する為替換算機能等も標準装備されていたため、導入を決めました。コストパフォーマンスの良さもプラスの判断材料になりましたね。
これは余談ですが、最初にシステムのデモを見たときに、SAPのユーザーインターフェースに似ているなと感じたんです。SAPは外資企業が導入していることが多く、私たちも使い慣れています。イタリア本国のメンバーが閲覧する際にも操作しやすいのではないかと感じました。
「セルフインプリメント」方式を選び、
わずか2週間で、システム導入を完了
―― 貴社は今回、マルチブックの導入支援サービスを利用せず、セルフインプリメントで導入を完了されました。ご自身でシステム導入を行われた率直な感想を教えてください。
今回は、こちらの都合で短期間に導入を完了させなければいけませんでした。前任の会計事務所との契約が切れるまで1カ月の猶予しかなく、契約が終了すると使用していた会計システムにもアクセスできなくなる状況だったんです。
7月にmultibookの導入を決め、9月の頭にはシステムを稼働させなければならなかった。8月にはイタリア本社がバケーションに入るため、実質2週間程で導入する必要がありました。
ただ実際にセルフインプリメントをやってみて、そう難しくなかったというのが率直な感想です。
ある程度、会計システムを使い慣れている人であれば、どなたでもできると思います。
multibookの導入マニュアルを共有いただきましたが、実は、ほとんどマニュアルは見ていません。multibook特有の処理やルール等についてはSlackで質問し、不明点を解消していきました。メールではなくSlackでのコミュニケーションだったのでレスも早く、その点も良かったです。
今回は、本業と並行しながらの作業で導入完了まで2週間かかりましたが、次にまた別のクライアントで導入する機会があれば、手順も頭に入っていますから1週間程度でできるのではないでしょうか。この導入だけに時間を費やせるのであれば2日程で完了できるかもしれません。
―― どのようなところにセルフインプリメントのメリットを感じましたか。

やはり導入スピードの早さですね。
今回のように会計システムを切り替える際には、切り替えまでのタイムラグを出来るだけ短くしたいですし、短期導入できるメリットは大きいです。
もしも導入のハードルが高く、自分で対応した際に間に合うかどうかがわからないようなら心配でしょうが、multibookは導入のためのマニュアルも整備されていますし、疑問や質問にもスピーディに回答いただけるサポート体制が整っていますから、その心配はありませんでした。
実際にスムーズに新システムを立ち上げられ、9月からクライアントの記帳代行をスタートさせられています。当社の場合は、セルフインプリメントで良かったと思っています。
必要な処理がワンクリックで、
カスタマイズの自由度の高さも魅力
―― 導入後、どんなところにmultibookの良さを感じていますか。
導入前から、勘定科目を自分で設定でき、いくらでも増やせる点が良いと思っていましたが、今まさにその利便性を感じているところです。
当社ではmultibookを初めて使うスタッフでも簡単に業務ができるように、仕訳一括アップロード用のファイルを自動作成するエクセルをつくっているのですが、そうすると、普通の日本の会計システムに仕訳を起票する感覚で処理できるようになります。
レポーティングフォーマットも複数設定できるため、イタリア本国へのレポーティングも負担なく、スムーズにできています。この柔軟性の高さは、SAPと同じレベルですね。
イタリア本国へのレポーティングフォーマットに項目を追加する必要が出てきた場合にも、新たに財務諸表コントロールの機能でレポートの形を設定すれば、ワンクリックでレポート作成できます。
―― システムの使い勝手は、いかがですか?
データの読み込みが、とてもはやいです。画面遷移した際のロード時間が短く、ストレスがありません。
無駄な機能がない点も気に入っています。もしかしたら私が把握していないだけかもしれませんが、multibookは使っていない機能がほとんどなく、それが操作のしやすさにも繋がっている気がします。
また、システムの細かな点でいうと「CSVファイルを自由な形式で出力でき、自分が使用しやすい形で仕訳帳を出力できること」や「仕訳を誤登録してしまった際に、反対仕訳がワンクリックでできること」「外貨取引において期末換算や実現仕訳が標準装備され、ワンクリックで仕訳が起票できること」などがありがたく、使いやすいです。
―― マルチブックの担当者とのコミュニケーションには、何かご要望はありますか?
とても良くしてもらっていると思います。対応が丁寧、かつスピーディですよね。
「1カ月で導入したいんです」と最初にお話した際にも、こちらの事情に寄り添っていただき、スケジュールを含めてどのように進めていくのがベストか、親身になって相談に乗っていただきました。コミュニケーションに安心感があります。
―― 本日は貴重なお話をありがとうございます。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

multibookを利用しているクライアントは、今後、事業を拡大させていく計画ですから、在庫管理や販売管理などmultibookのシステムとの相性が良ければ、検討させていただきたいと思っています。
また、multibookの良さを十分に体感できましたので、今回のようなニーズが他社でもあれば、積極的に導入を進めていきたいです。
個人的には、海外に本社を構える日本法人で、将来的にビジネスが拡大すればSAPを導入したいけれども、まだ日本拠点はそのフェーズにないという場合に、第一ステップとしてmultibookを導入するという活用の仕方も良いのではないかと感じています。
(取材・文/猪俣 奈央子)
(フォトグラファー/矢野 拓実)
お客様概要

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会社名
税理士法人Itseki
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事業内容
会計・税務コンサルティング事業、国際事業、M&A事業、フォレンジック事業
- URL https://www.itseki.com/