鴻池運輸株式会社

IFRS16号リース資産管理機能の導入で、四半期決算業務を10時間以上削減
脱Excelで、リース資産管理を標準化

[写真左より]
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 部長 頼 壮一郎氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 副長 岩本 麻季氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 担当課長 前田 敦博氏

総合物流サービス企業 鴻池運輸株式会社は、世界に拠点を展開、フォワーディングとローカルロジスティクスを軸に顧客の需要に対応した安全・安心のサービスを提供しています。同社では海外現地法人5拠点に関して、日本本社側でExcelを使ってIFRS16号リースの連結修正仕訳の作成を行っていました。multibookのIFRS16号リース資産管理モジュールの存在を知り、コストパフォーマンス、導入の手軽さ、手厚い現地サポートを評価して導入を決断。現在は、連結修正仕訳が自動作成可能になり、四半期ごとに10時間以上かかっていた手作業による業務が不要になり、プロセス標準化も実現、海外現地法人の作業負担も軽減しました。

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導入前の課題

  • 海外5拠点に関して、日本本社側がExcelでIFRS16号の連結修正仕訳の作成を行っていた。
  • IFRS16号修正仕訳の作成は時間のかかる作業で、四半期ごとに少なくとも1拠点当たり2時間、5拠点で年間40時間以上の業務量が必要で作業負荷、精神的負荷が高かった。
  • IFRS16号に関係する契約内容の管理は、5拠点それぞれに管理様式やレベルが異なり、属人性の高い作業となっていた。

multibookを選んだ理由

  • シンプル且つ、多言語対応でコストパフォーマンスが高く、海外現地法人でのコスト負担も可能だった。
  • クラウド型のシステムでIFRS16号リース資産管理モジュールに特化してクイックに導入できた。
  • 海外現地法人への導入支援・トレーニングで、現地言語での手厚いサポートが期待できた。

導入後の効果

  • IFRS16号連結修正仕訳の自動作成実現により、四半期ごとの限られた締め期間に発生していた3名がかり、10時間以上のExcel手作業が不要になった。
  • Excel管理を脱却、IFRS16号連結修正仕訳のプロセス標準化が実現し、それまで発生していたミスや属人化が解消された。
  • リース管理業務の標準化、システム化により、海外現地法人の作業負担も軽減した。

「技術で、人が、高みを目指す」グローバルな総合物流サービス企業

―― 事業内容を伺わせてください。

頼:鴻池運輸は、社名に運輸とついていますが、運輸だけが仕事ではなく、メーカー企業の生産工程やサービス工程の支援にも強みを持つ会社です。特に、鉄鋼大手や飲料大手との関係は深く、前者ではすでに100年以上構内作業をお手伝いしています。売り上げ的にもこちらが大きなボリュームを占めています。また、世界に拠点を展開し、フォワーディングとローカルロジスティクスを軸にお客さまの需要に対応した安全・安心のサービスを提供しています。さらに今後は、これまでに培ってきた技術を活かして空港やエンジニアリング、新しい領域としてはメディカルといった分野にも力を入れていこうとしているところです。
KONOIKE 2030 VISIONでは「技術で、人が、高みを目指す」を掲げており、いわゆる現場の理科系の技術のみならず、私たちのようなコーポレート部門でも、IT活用などでより楽に、速く、正確に業務に取り組むことも「技術の高み」に含まれています。今回のmultibook導入プロジェクトもそのような取組の中の一つとなっています。

IFRS16号リース資産管理モジュールを知って課題解決を決断

―― 今回、どのようにしてmultibookに出会っていただきましたか。

頼:きっかけは弊社情報システム部門からの紹介でした。海外法人管理向けのクラウド型ERPで、IFRS16号に対応したリース資産管理ができるシステムだということで紹介を受けたのですが、当時弊社のIFRS16号対応を含めたリース資産管理は手作業で行っている部分もあったため、システム化できたらと考え、「ちょっと話を聞いてみたら」と同じ経理部の前田につなぎました。

前田:正直最初は「どんなことができるシステムなんだろう」という感じでした。当初はクラウド型の会計・ERPサービスがあるということでサービス紹介を受けたのですが、その際、見せてもらった資料にIFRS16号対応という記載がありました。気になって説明を聞いてみると『IFRS16号リース資産管理』というモジュールがあって、連結注記情報や連結修正仕訳の自動作成・出力ができ、この機能単体で導入できるというので「これはいいのでは」と関心を持ち始めました。
実は、タイ、ベトナム、フィリピンの海外3カ国5拠点について、IFRS16号の連結修正仕訳の作成は、日本本社側がExcelで行っていました。四半期ごとに1拠点当たり少なくとも2時間は必要で、計10時間以上の業務量となっていました。新規のリース契約が発生した場合は、現地語で作成されたリース契約書の確認や、管理用の追加Excelシートの作成などでさらに追加の時間がかかっており、どうにか出来ないものかと思っていました。Excelですから現地法人のデータ入力ミスも免れませんでした。また、5拠点それぞれに管理のレベルが異なっており、Excelファイルを多用する属人性の高い業務になっていました。そのため、常日頃、業務の効率化や決算をスムーズかつ正確にできるよう改善していきたいとは考えていました。
ただ、当初IFRS16号の連結修正仕訳は日本本社側が手作業で引き受けるしかない業務だと思っていたため、課題認識もなかったのですが、マルチブック社の話を聞いてみて、現状の業務に改善の余地があり、multibookでそれが実現できるのだと希望を持つようになりました。

―― 2022年10月初顔合わせのあと、翌11月にはもう導入をご決断いただきました。multibookを採用の理由をお聞かせください。

頼:1つめはコスト感です。multibookの利用費用は海外現地法人のコスト負担とする前提だったため、現地法人が納得を得られる価格である必要がありました。また、シンプルな作りのSaaSでUIもよく、クラウド利活用を進めている当社にとっても、海外現地法人にとっても適したシステムではないかと思えました。

前田:IFRS16号リース資産管理モジュールのみを導入できる手軽さも魅力でした。ある意味お試し感覚で導入して、「使いづらかったらやめればいい」くらいの軽い感じで考えられたのが決断できた要因かなと思います。もう一つは、現地対応サポートですね。現地の経理担当者が迷いなく、正確にデータを入力できるか不安だったのですが、multibook導入はユーザートレーニングもスコープ内で、ベトナム拠点の担当者はベトナム語通訳を介して、タイ拠点はMultibook Thailandのメンバーを介してタイ語で現地担当者に、といった具合に現地言語での手厚いトレーニングやサポートを約束してくれたのは大きかったです。日本本社側が現地スタッフのトレーニングに時間を割いて説明するとなると導入にかかる工数負荷がまったく違いますから。トレーニングも含めて全部任せられるという点がすごくよかったです。
正直、海外現地法人にとってはコストアップになり新しい作業も生じるため、当初は少し導入に抵抗ありましたが、multibookを使うことでリース資産管理に伴う現地スタッフの作業負担は減らせることを説明すると、納得してくれました。

頼:このようにIFRS16号に対応したリース資産管理機能だけに絞り、コンパクト且つクイックに海外現地法人に導入し、現地語対応しているといったシステムは他になかったため、multibook導入を即決しました。

―― 2022年12月から導入をスタートし、翌年4月に全拠点の導入を完了されたそうですが、どのようにプロジェクトを進められたのでしょうか。

前田:マルチブック側の導入・現地スタッフトレーニングのリソースも調整していただけたので、5拠点同時に導入をスタートさせました。

岩本:導入プロセスでは、もともとExcel管理していたある時点での資産残高や計算結果と、multibookにデータを投入して出てきたそれらを突合させ、テストを行ったのですが、ここでいくつか差異が出てきました。調査してわかったのは、いくつか特殊な契約形態があるということでした。当初multibook側にそれに対応した機能はなかったのですが、追加開発をご相談し、検討を重ねた結果、機能追加をしていただけることになりました。機能追加が決まってからの開発もスピーディーに対応いただけ、これはすごくありがたかったです。もし対応してもらえなかったら、結局のところ、一部はmultibookで管理、一部はExcel管理と二重管理になっていたと思いますが、すべてmultibook内で管理できるようにした上での導入が実現できました。
また、現行のリース資産の管理方式とmultibook上の管理方式では異なる点もあり、最初は戸惑ったのですが、マルチブックのカスタマーサポートの方に電話やメールでレクチャーしていただけたので、すぐに慣れることができました。現地法人スタッフへのサポートも、現地語でのトレーニングや現地法人の業務にあわせたシステム利用マニュアルを作成していただき、スムーズに立ち上げが出来たと感じています。
このように、当初想定していなかったやりとりがあったにも関わらず、2023年4月末にはすべての拠点で導入が完了しています。

日本本社での業務はゼロに、プロセスの標準化も実現

―― 現在の活用状況はいかがでしょうか。

前田:5拠点の海外現地法人がリース物件をmultibookに登録すると、そのリース資産が少額リースなのか、短期リースなのか、資産計上リースなのかを自動判定した上で、使用権資産当初計上額、リース負債当初計上額、毎月のリース負債返済額、支払利息、減価償却費が自動計算されます。一方、日本本社側のmultibookでは、ローカル基準、IFRS基準、双方の基準を保持したまま、連結修正仕訳情報、連結注記情報を自動出力できるようになりました。

―― 現時点でどのような導入効果を実感されていますか。

岩本:私は以前タイの2拠点とフィリピンの1拠点を担当しており、まさに自分でExcelを使って手作業でIFRS修正仕訳を作成して、その分確認にもかなりの時間を割いていたのですが、今第二四半期決算業務が始まったところで、まさに効果を実感しています。今まで自分が行っていたExcelでの手作業が不要になり、IFRS修正仕訳がボタン一つで出力できるというのは本当にうれしく、満足しています。経理部としても、四半期ごとに要していた10時間以上の業務量が解消された状態です。連結修正仕訳は3名という限られた人数で実施しているため、その中で四半期ごとにミニマムで10時間削減されたというのはかなり大きな効果だと感じています。手作業による連結修正仕訳の結果確認には時間だけでなく、正確性の担保をしなければといった精神的な負担も大きかったのですが、システムで担保できるようになり、メンタル的にも楽になりました。
もう一つ重要な効果は、プロセスの標準化が図れたことです。Excel管理の時代に生じていた現地法人ごとの管理様式・レベルのばらつきがmultibookによって統一され、属人化が解消されました。そのため以前は管理のためのマニュアルなども作成していたのですが、今は連結決算の担当者が変わっても対応できるようになっており、引き継ぎも楽になっています。

前田:Excel管理から脱却できたことで、データ入力ミスを減らせたことも効果の一つです。以前はExcelで四半期ごとの更新や、新規・解約といった連結仕訳を担当者が作成し、データ登録を行っており、レビュー担当者の指摘によりミスが発覚することも多かったのですが、multibookの導入でそれが無くなりました。

―― もし、multibookに点数をつけていただくとしたら何点ぐらいになるでしょうか。

頼:当初に期待していたことが全部実現できていますから、5段階中の最高点をつけてもよい、と思っています。理由は予期せぬエラーがなかったという点です。こういうシステム導入は、たいてい想定していなかったエラーが起こって導入が遅れる、導入メンバーの追加投入が必要、あるいはユーザー部門からの猛反発が来る、などいろいろ起こりがちなのですが、multibookに関しては、海外現地法人の拠点長から最初に少し抵抗があったということくらいで、それも導入効果やサポート体制を説明しすぐに納得いただけたので、そこは非常に評価すべき点かなと思います。

前田:新規のリース契約や契約更新が発生した際きちんとmultibookに反映されるかという点は当初不安ではありましたが、導入完了以降、今の所特に問題なく海外現地法人でも運用できているようで、改めてシンプルでわかりやすいシステムなのだと実感しています。このようなスムーズな立ち上げにあたって、日本本社側への負担が全くなかったというところもかなり助かっています。

―― ありがとうございます。今後の展望を伺わせてください。

頼:冒頭で少し触れたように、海外子会社のERPがバラバラになっているため、会計モジュールを始めとして同一のERP体系に統一できれば、海外現地法人の活動把握が容易になると期待を寄せています。ただ当社としては、物流を提供する会社が使えるロジスティックスモジュールがその上流に欲しいところで、そうしたシステムからデータを取得して会計データと連携させるようなことができれば最高ですね。なにより、IFRS16号リース資産管理はmultibookが相当先行していると思います。ぜひ日本国内でも展開を加速し、不動の地位を獲得してください。

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[取材にご対応いただいた方々]
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 部長 頼 壮一郎氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 担当課長 前田 敦博氏
鴻池運輸株式会社 財務経理本部 経理部 副長 岩本 麻季氏

[取材/文]
吉田 育代

[フォトグラファー]
矢野 拓実

お客様概要

  • 会社名

    鴻池運輸株式会社

  • 事業内容

    鉄鋼事業、エンジニアリング事業、食品関連/定温物流事業、食品プロダクツ関連事業、生活関連事業、メディカル事業、空港事業、国際物流事業、インド事業

  • URL https://www.konoike.net/

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