【用語解説】クラウドの基礎知識
IT
記事更新日:2021/02/12
こんにちは。マルチブック編集部です。
年明けに出した記事でも触れた通り、最近は企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められており、それに伴いあらゆるテクノロジーの活用が進んでいるといえます。DXについてはこちらの記事で詳しく解説しています。👇
そこで、今後DXを着実に実行していくにあたり重要な用語をピックアップしてより詳しく説明していきたいと思います!本日解説するのは、弊社も扱うクラウドです。
【弊社が扱う海外会計・ERPクラウド「multibook」】
ここでまずは、とある調査結果をご紹介したいと思います。トレンドマイクロが1月20日に公表した「クラウド利用に関する実態調査 2021」の結果です。これによると、感染症の拡大を受けて、世界全体の法人組織の約9割がクラウドの利用を加速させたといいます。しかし一方で、日本のクラウド導入の進行度は世界28か国の中で最下位と、海外に比べるとまだまだ進んでいないようです。
クラウドの利用が加速する世界の動きについていくためにも、まずはクラウドに対する理解を深めていく必要があるでしょう。今回の記事では、クラウドの概要やそのメリット、注意点などについて説明していきます!
クラウドとは?
クラウドとは、「コンピュータの機能や処理能力、ソフトウェア、データなどをインターネットなどの通信ネットワークを通じてサービスとして呼び出して遠隔から利用すること」(参照:IT用語辞典)です。わかりやすく言い換えると、利用したいソフトウェアやデータを遠隔からインターネットを介して利用できるというものです。
クラウドの種類
クラウドには「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の主に2つのクラウドがあります。
「パブリッククラウド」は、インターネット上から企業・個人問わず誰でも利用できるクラウドです。GoogleのGmailのようなWebメールやGoogleドライブのようなオンラインストレージ等がこれに当てはまります。
「プライベートクラウド」は、自社専用の環境をクラウド上に構築し、自社の各部署や社員等特定の対象に向けて提供されるものです。大企業等で多く活用されます。
クラウドの提供形態
クラウドには主に3つの提供形態に分類されます。「SaaS」「PaaS」「IaaS」です。端的に述べると、これら3つの違いは、提供する機能の範囲です。
【各クラウドサービスの提供機能の範囲】
SaaS:システムのインフラ機能・ソフトウェアの実行環境・ソフトウェア機能
PaaS:システムのインフラ機能・ソフトウェアの実行環境
IaaS:システムのインフラ機能
SaaS (Software as a Service)
これは、インターネット経由で必要に応じてソフトウェア機能の提供・利用まで行える形態で、ソフトウェアをインストールする必要もなく利用できます。3つの中ではこのSaaSが一般的に身近なクラウドのサービス形態ではないでしょうか。
(例)GmailなどのWebメール、Dropboxなどのオンラインストレージ、Microsoft Office 365などのグループウェア
PaaS (Platform as a Service)
ソフトウェアの開発環境や実行基盤までインターネット上のサービスとして提供します。OS(※1)やミドルウェア(※2)などといったプラットフォーム機能をクラウドサービスとして提供するため開発の負担を軽減できます。
(例)Google App Engine、Microsoft Azure
(※1)OS:オペレーティング・システム。コンピュータを動作させるための基盤となるシステムソフトウェア。
(※2)ミドルウェア:OSとアプリケーションの中間に存在するソフトウェア。
IaaS (Infrastructure as a Service)
インターネットやサーバー、ストレージなどのインフラ機能をインターネット上のサービスとして提供します。利用者は自由にシステムの開発を行えますが、自由度が高い分高い専門知識も要するサービスです。
(例)AWS(Amazon Web Services)
クラウドを利用するメリットは?
ERPが、近年注目されているのはなぜなのでしょうか?ここでは、ERPを導入する主なメリットについてお話します。
1.導入・運用のコストが低い
クラウドが登場する前は、利用したいソフトウェアは、自社内のサーバにインストールしてから利用開始し、運用を行う形(オンプレミス型)が一般的でした。しかし、その場合、サーバの購入・維持費用がかかったりシステム運用に精通した担当者の確保が必要だったりとコストがかさみます。
一方、クラウドでは、インターネット上のサービスとして利用できるため、サーバなどへの大きな初期投資をする必要がありません。また、インフラ機能の管理や運用もクラウドサービスの提供会社に任せられるため、運用の負担も軽いです。
2.スピーディーな導入・利用が可能
クラウドサービスでは、ユーザーはサーバの構築やソフトウェアの購入といった準備をする必要がないため、導入までの期間もオンプレミス型と比べると短く、すぐに利用を開始することができます。また、拡張性も高いため、必要なときに必要な機能や容量を拡張することができ、急な状況の変化にも対応しながらサービスを利用することが可能です。
3.リアルタイムで情報共有が可能
クラウドサービスはインターネット上であればいつでもどこでも利用ができます。「場所や時間のせいでお客さまからの急な対応に応えられない!」といったことも起きにくくなります。また、今後テレワークが進むといわれている世の中でも、このクラウドの特性は大きな一助となるでしょう。
これだけは注意しておきたい!
1.インターネット環境の整備
クラウドサービスはネットワーク経由でのサービスなので、当然ではありますが、インターネット環境はしっかり整備しておく必要があります。また、インターネット障害などが発生してサービスが利用できなくなったときにも対応できるように、複数のインターネットアクセス回線の整備や複数のクラウドサービスの分散利用、データのバックアップといった対策は準備しておきましょう。
2.セキュリティ対策
クラウドサービスは、外部にデータを預けることになり、いつでもどこでも情報へのアクセスが可能となるため、不正アクセスや情報漏洩などのセキュリティリスクは少なからずあります。実際、日本のクラウド導入が遅れているのはセキュリティリスクへの不安と日本的な慎重な姿勢が重なっていることも要因の1つかもしれません。
クラウドサービスを利用するとなった際は、再度ユーザーのセキュリティ対策や利用するサービス提供側のセキュリティ対策を念入りに確認する必要があります。また、サービス提供者とユーザーのセキュリティ対策への責任の範囲を明確にしておくことも大切でしょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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