監査対応をラクにする新リース会計基準対応のシステム化

新リース会計基準

記事更新日:2025/03/26

監査対応をラクにする新リース会計基準対応のシステム化

はじめに:リース会計における監査対応の負担とは?

新リース会計基準(IFRS16やJGAAP)の適用により、多くの企業がリース資産の管理を強化する必要に迫られています。特に監査対応において、以下のような課題が発生しています。

  • 監査法人からのデータ提出要求の増加
  • 連結決算時のリース資産管理の煩雑さ
  • Excel管理の属人化によるミスのリスク
  • 修正仕訳の計算負担が大きい
  • リース契約の更新情報をリアルタイムで把握できない

このような課題に対処するため、多くの企業ではリース会計のシステム化を進めています。本記事では、監査対応の負担を軽減するためのシステム導入のポイントとメリットについて解説します。

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監査法人が求めるリース管理の基本ポイント

監査法人は、リース資産管理の透明性と正確性を重視し、以下のようなポイントをチェックします。

契約の”見える化”が必須

  • 全リース契約を一覧表で管理(物件名/期間/金額)
  • 更新タイミングがわかるカレンダー管理
  • 契約書原本の保管ルール統一

計算ミスを防ぐ仕組み

  • リース料の支払い日と会計処理日を連動
  • Excelなどの自動計算テンプレートの活用
  • 毎月の仕訳パターンを標準化

監査対応の3つの備え

  • 書類の整備:契約書+計算根拠をセットで保管
  • 変更記録:条件変更時のメモ書き残し
  • 質問対応:担当者不在時/変更の引継ぎマニュアル

監査対応効率化のコツ

  • 時間節約術
    • 監査法人からよく受ける質問リストを作成
    • 四半期ごとに簡易セルフチェック

❺注意すべき落とし穴

  • 「同じリース契約なのに部署ごとに管理方法がバラバラ」
    • 全社統一のExcel管理シート作成を行い、全員が同じフォーマットで管理をすることが正確で効率的なリース管理の最初の一歩です。
  • 「専門用語」より「誰でもわかる説明」を心がける
    • リース管理担当者と監査法人との円滑なやりとりが可能になります。

まずはExcelでリース資産管理を始めて、必要に応じてシステム導入を検討するのが現実的なステップですが、例え少ないリース資産数でも、時間が経つにつれ、決算処理をはじめとするリース管理業務はかなり煩雑になることが、IFRS16号を適用した事例からも知られています。早期にシステム化を検討しておくのが後々の決算効率化を見据えては必須となります。

監査対応をラクにするシステム化のポイント

リース会計をシステム化することで、監査対応の負担を大幅に軽減することができます。特に、以下の機能を備えたシステムの導入が効果的です。

  • 自動仕訳機能:リース資産の計上・減価償却・支払処理の自動仕訳作成が可能になります。
  • データ抽出機能:監査法人の要求に応じて、CSV形式やExcel形式で、必要なデータを迅速に抽出することができます。
  • ワークフロー管理:リース契約の承認プロセスを可視化し、内部統制を強化します。 
  • 連結修正仕訳の自動化:JGAAPとIFRS16の差異を自動処理し、監査時の手間を削減します。 
  • 多拠点管理対応:国内外のリース資産管理を一元化し、データの統合を実現します。 
  • クラウド管理:リアルタイムでデータを更新し、監査法人とのスムーズな情報共有を実現します。

リース資産管理システムを導入し、これらの機能を活用することで、監査対応にかかる時間を50%以上削減することが可能になります。

企業事例:システム導入による監査対応の効率化

当社のIFRS16号リース資産管理機能をご利用のお客様の事例から、システム導入による監査対応の効率化がどのように実現されたのかを紹介します。

企業企業導入後の効果
A社(製造業)リース契約の数が多く、監査対応に時間がかかる契約データの一元管理で監査対応時間を60%削減
B社(物流業)海外拠点ごとに異なるリース契約フォーマットを使用多言語対応システムでデータ統合を実現し、監査スムーズ化
C社(IT企業)連結修正仕訳を手作業で作成し、ミスが発生修正仕訳の自動化で、決算業務を短縮し監査対応負担を軽減

これらの事例からもわかるように、リース会計のシステム化によって、監査対応の時間削減と業務効率の向上が実現されています。

まとめ:監査対応をラクにするためのシステム化が不可欠

リース会計の監査対応をスムーズに進めるためには、システム導入による業務自動化が不可欠です。手作業による管理では、監査法人の求めるデータを迅速に提供することが困難であり、内部統制の観点からも課題が残ります。

  • リース契約の透明性と正確性を確保
  • 連結修正仕訳を自動化し、監査対応時間を削減
  • クラウド管理により、海外拠点のリースデータを統合
  • ワークフローを最適化し、内部統制を強化

最後に、弊社株式会社マルチブックが提供する新リース会計基準に完全対応した「multibookリース資産管理システム」をご紹介させてください。

グローバルクラウドERP multibookは2020年にIFRS16号リース資産管理に対応した機能をリリース済みですので、これからやってくる新リース会計基準の要件も概ね既に実装済みです。IFRS16号対応においては主に連結財務諸表をターゲットとしていましたので、今後新リース会計基準の適用開始に向けて個別財務諸表をターゲットにした各種機能増強を実施する予定です。

新リース会計基準適用後に必要な複雑なリース契約への対応や資産計上の自動判定、自動計算が可能で、リーズナブルな価格で最短2週間での導入が可能です。新リース会計基準適用に向けて対応方法を検討中の方は是非一度、multibookのリース資産管理システムをご覧ください。

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この記事を書いた人

田村 創一

株式会社マルチブック
執行役員/CXO
IFRS16号/新リースソリューション推進部 部長

慶應義塾大学経済学部卒。在学中に公認会計士二次試験合格。卒業後、大手生命保険情報システム会社に入社し、SAP導入プロジェクトに従事。2002年、マルチブック(旧社名:ティーディー・アンド・カンパニー)に入社後も一貫してSAPシステムコンサルティング事業に携わりつつ、取締役CFO、取締役業務推進担当などを歴任。「multibook」事業立ち上げや設計にも関与する。2021年7月、SAPシステムコンサルティング事業のキャップジェミニ社への移転に伴い移籍。2023年4月マルチブックに舞い戻り、サービスデリバリ部門統括責任者に就任。25年以上の会計・ERP経験を有する。

この記事を書いた人

マルチブック編集部

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